第4章 5月17〜6月28日

朝露視点

第129話  5月17日 凪の深読み


 翔斗くんと付き合い始めてから半月程が過ぎました。


 付き合ってみての感想と言ってはなんですが、最近翔斗くんの様子がおかしいです。

 翔斗くんだけではありません。美月ちゃんと美香先生までもおかしいのです。


 可笑しいと言っても、誰も相手にしてくれないとかではありません。

 むしろ毎日、誰かしら私と一緒に居てくれます。


 ではなぜ様子がおかしいのかって??

 4人で遊ぶことがかれこれ1週間以上ないからです。

 付き合ってから1週間ほどは基本的に4人、一緒にいました―――


(…………美香先生は遠慮していましたが、美月ちゃんが無理やり3人の中に入れ込んだ形です)


 ―――いたのですが、ローテンションをしているかのように誰かしら1人はいませんし、最近なんて翔斗くんの家にすら入れてもらえません。


 基本集まるのは私たちの家にしようと約束してしまったのも理由の一つではあると思うのですが、だからといって一度も翔斗くんの家にあげてもらえないのは悲しい凪〜〜。


 いや、ふざけてはいるものの、割と本当に悲しい気持ちです。



 一度だけそれぞれ3人に聞いてみたのですが―――揃いも揃って「なんでもないよ。気のせい気のせい」と言うだけ。


 別に、隠さなくても仲間はずれにしたいのならそうしたいって言ってくれればいいのに―――いや、言われたとしたらそれはそれで悲しいので言わないで欲しいですが……。


 なんでも助け合っていこうねと誓い合ったのにも関わらず、経ったの2週間足らずでこれでは、これから先どうなってしまうのかすごく心配になってしまいます。



 そんなこんなで最近の私はずっと悩んでいます。


 学校にいる時などは普通に接してくれるので、辛いと思うことはないのですが、それが逆に悲しくなります。


 なんだか、上部だけみたいに感じるのです。なんだかモヤモヤしますし、ここでビビってたらダメですよね。


 今日の夜にでも美月ちゃんに問い詰めよう!!そう決心して、とりあえず今はお風呂に入っています!


 腹が減っては戦はできぬと同じように、風呂に入らにゃ話はできんと言うことで、身も心もお風呂で浄化してから問い詰めようと―――って、はい。ごめんなさい嘘です。本当はどんな答えが返ってくるのかわからなくて怖いだけです。


 チキ凪ですよ!チキ凪。

 どこかのホットスナックみたいになってしまいましたが、私が一体何をしたと言うのですか。


 思い当たることが………………ありません。

 いや、すいません……いくつかあります。


 こっそりと翔斗くんの匂いを嗅いだり……。

 筆箱の中にあるシャーペンを私のと交換したり……。


 もしかして!!これがバレてた?


 ―――体からお風呂に入っているにもかかわらず冷たい汗が出てきました。


 いや、でもそれをする時は必ず誰もいない時にしていたはずです。


 ―――と、思いきや引っ込みました。




 いくら考えても、このような状況になった理由が分からず、のぼせそうになった私はお風呂から出ました。


 リビングへ行くと、先ほどまでテレビを見ていた美月ちゃんがいなくなりとても静かな場所になっていました。


 電気もキッチンのところしかついていないため余計に静かさが増しています。


 美月ちゃんは多分寝たのだと思いますが、このお風呂から出た後の静けさは。一人で暮らしていた時のことを思い出します。


 久しぶりの感覚に、寂しさを思い出しながら椅子に座ると、ダイニングテーブルに一枚の手紙が置いてあることに気がつきました。


 お風呂に入る前にはなかったはず……美月ちゃんの忘れ物?そう思いつつ手に取ってみると、凪ちゃんへと書かれている封筒でした。


 私宛のものみたいですね。


 中を開けてみると、そこには招待券と書かれた一枚の紙と、それを持って明日の18時に指定の住所まで来てくださいとの連絡が書いてありました。


 これは、新手のラブレターですかね??

 そんなことを思いながら住所を調べてみると、そこは翔斗くんの家を指しています。


 と言うことは、3人のうちの誰かからということ。


 これは誰が置いたものなのか。

 明日は何があるのか。

 3人の怪しげな行動はこのためだったのか。


 いろんな思いが出てきましたが、それよりも嫌われていなかったんだと言う安心感が出てきました。


 ここ最近は本気で嫌われてしまったのではと思っていたので、嫌われていなくて本当によかったです!


 明日何があるのか気にはなりますが、今から美月ちゃんを起こすのもあれですし、気にしないことにします!


「ふぁゎ〜、私も寝よう」


 一言、そう呟いてから自分の部屋へと向かいます。


 先程までとは異なりとても足取りが軽いです。

 そんなことを思いながら布団に入り、私は眠りに着くのでした!




 ―――そして、次の日、これまでの人生の中で一番、幸せだったのではないかと思うことが私の身に起きるのでした。



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129話読んで頂きありがとうございました!


更新遅くなりました。ここからは第4章となります。よろしくお願いします!


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