古巻視点

第104話  2月1日 勉強後の悩み


『少子化が年々進んでいく中で、政府は1年以内に何らかの策を講じると発表しました』


『いや〜ついにですか、どんな案が出されるのか少し楽しみであり、不安でもありますかね……』


『そうですね……』


 朝のニュースは最近の美香の日課――2月の後半に行われる高校入試に政治についても出題されるから。

 なるべく知識を入れておこうって作戦!


 ……美香の予想では少子化問題は絶対に出そう。


 少子化問題が出た場合私だったらなんと答えるか――一夫多妻にしちゃえ〜って本心では書きたいところだけど、実際のところ丸をもらうならそうはいかないはず、子供を産んだ際の補助金などをあげるとかかな?

 これにしよう。


 美香的には少子化もそうだけど高齢化の方にも注目するべきだと思うけどね……。









 美香は来年から高校生。

 高校はお兄ちゃんには内緒にしてるけど、常磐高校に決めている。

 凪さんとか美月さんとか舞さんとかもいるしね。一応花さん……。


 できれば、お兄ちゃんには合格発表の時初めて美香が行く高校を教えたいと思ってる――サ〜プライズみたいな!


 なんだかんだで美香頭いいから常磐高校は模試でもS判定の余裕!――おっといけない余裕ではない、細かいところも詰められれば合格はいけると思う。


 最近はご飯だけ私が作って他の家事は全部お兄ちゃんにやってもらっている。

「そろそろ受験も近いんだし、美香は勉強に集中してろ」って言われちゃったから、仕方なく……。





 過去問解いては、間違ったところを理解すると言う作業を繰り返し3時間くらいが経った頃……私はある悩みに直面していた。


 美香が常磐高校に入ったら、凪さんや美月さんの邪魔になってしまうのではないかと言う悩み……。

 お兄ちゃん、美香のこと大好きだから一緒に帰ろうとするだろうし。

 余計シスコンを拗らすんじゃないかなって言うのも心配の一つ。


 それでも、美香にはある夢がある……お兄ちゃんと同じ制服を着て、お兄ちゃんの卒業を祝いたいって言う夢。

 今でもお兄ちゃんのことは大好き。もちろん家族としてではない、恋愛としてなのかと言われても断言はできないけど……。


 好きと言う気持ちをこれから先もどうこうするつもりはない――美香が望めばずっとお兄ちゃんと居られるし、同じ制服を着たいのように他の願いへと変えることだってできるから。





 最近お兄ちゃんは凪さんと美月さんのことについて本格的に悩み始めた気がする――3人の関係に何かがあったのだろうな。


 美香に構ってくれる時間が減るのかな……2人だけの時間が減るのかな……それはちょっと寂しい。



 今まで凪さんの手助けをしてたけど、もうしない方がいいかもしれない――お兄ちゃんは平等に2人のことを見ようとしてるから。

 土日だって交互に遊んでるって凪さん言ってたし。

 美月さんが舞さんの手を借りた時だけ、美香は凪さんに手を貸すことにする。

 こうして、陰ながらでもお兄ちゃんがやりやすいようにするのも妹である美香の役目だよね。





「美香勉強してるか〜、昼になっても出てこないからお兄ちゃんがご飯作っちゃったけど」


 気付いたらもう昼を過ぎちゃってたみたい。

 悩みがさらに悩みを生んで沼にハマっていたみたい。

 3時間勉強して2時間考え込むとかなにしてんのよ……。

 午後からは集中しないと。


「ごめんありがとう〜今食べに行くね」


 お兄ちゃんのご飯久しぶりだ!やったね!


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