朝露視点

第80話  1月17日 美香ちゃん。ありがとう!

翔斗くんと美月ちゃんが帰れなくなった……

理由は、電車が止まったからだそうだ。


美香ちゃんからそう聞いた時、私は動揺とか嫉妬よりも羨ましいと思ってしまった。

翔斗くんのことだ、間違っても美月ちゃんに手を出すことなんてない、私はそう信じている。


だけど……


羨ましい……羨ましい……羨ましい……羨ましい


心の中で呟いていると、電話が終わったのか美香ちゃんがもうご飯にしよう、と言ってくれた。





美香ちゃんと二人でご飯を食べている時……


「美香ちゃん」


私はある提案をしようと思います!


「どうしたの?凪さん」


「今日、泊まって行ってはダメかな?……」


「え……やったー!是非是非泊まっていってよ!!」


よかった……嫌がられたらどうしようって思っていたので少しホッとしました。


「じゃー泊まらせてもらうね!」


今日は美香ちゃんとお泊まり会をする事になりました。


「じゃーさーじゃーさー、お兄ちゃん居ないし高いアイス買いに行こうよ!今日は土曜日だし夜更かしもしよう!凪さん!」


「そうですね!翔斗くんがいない分楽しみましょう!」


ふふ、翔斗くんが居なくたって私は美香ちゃんと仲良くしてますから寂しくなんてありません!





リビングで寝る事にした私たちは2階から布団を持ってくる事にしました。

私が使う掛け布団は翔斗くんのです!


翔斗くんの匂い……とてもいい匂いです。

これ、私……今日寝れるのでしょうか。






今の時刻は22時過ぎです。

夜更かしするのでまだ寝ませんが、この時間以降に甘いものを食べるとお肌に良くないので、アイスとかは21時頃には食べてしまいました。


今はいつでも寝れるよう、歯磨きをしています。




歯磨きが終わり先に布団に入っていた美香ちゃんの横に私も寝っ転がります。

すると……


「ねーねー凪さん」


「どうしたの?美香ちゃん」


「お兄ちゃんと美月さんは泊まって来るわけじゃん、凪さんはなんとも思わないの?」


「あ〜その事ですか……なんとも思わないって言えるぐらい余裕がほしいですが、私にそんな余裕はありません。流石に思うところはあります。ですが今日感じているのは羨ましいと言う感情だけですね」


「え?そうなの??」


「はい!多分前の私だったら嫉妬とかしてそうですね。ふふ」


「そ、そうなんだ……でも、美月さんだけってフェアじゃないよね」


美香ちゃんが一人で話し始めました。

こう言うところはとても翔斗くんに似ています。


「美香ちゃ〜〜ん。戻って来てくださ〜い」


私が呼びかけると、


「凪さん!!」


とても眩しい顔で私の名前を呼んで来ました。


「はい!」


思わずと良い返事で返してしまいました。


「来週の土日、お兄ちゃんと出かけるんだよね??」


「そうですね……日曜日も、と言ってくれましたよ?」


私がそう言うと……美香ちゃんはニヤリッと笑って言いました。


「来週の土曜日、私友達の家に泊まりに行こうと思ってて、お兄ちゃん一人なんですよね〜〜」


「は、はい?……」


なんでしょう……美香ちゃんのこの言い方。


「美月さんがお兄ちゃんと泊まってるんです、凪さんも一回はお兄ちゃんと泊まる権利は持ってますよね!」


「泊まる……権利……まさか!」


「はい!そのまさかです!来週お兄ちゃんとここでお泊まり会しちゃってください!まぁ〜こんな場所で良ければですけど……」


いや、場所なんて関係ない!!

翔斗くんと1日入れる事!それが重要なんです!


「本当にいいんですか?翔斗くん……嫌がったりしませんか?」


「なに言ってるんですか。美香がいいって言えばお兄ちゃんは何も言って来ませんよ!お兄ちゃんはシスコンなんで!」


「確かに……」


「いや、それは否定してあげて……」


「ふふ」


「否定はしないんですね……」


「じゃーお言葉に甘えて、来週翔斗くんとこのお家でお泊まり会させて頂きますね!」


「はい!楽しんでください!」



翔斗くんと一日一緒に居られる!そう思うと私は飛び跳ねたくなりました。

美香ちゃんと居るから我慢できていますが、多分自分の家ならもう大騒ぎなのは間違いないです。


多分美月ちゃんは何かしらのアクションを起こしていると思います。

私もって思うのですが、別に今から考えることでもないので、楽しみに土曜日までを過ごす事にします。


あ、でも、土曜日に行くはずだったお寺巡りは日曜日にします!

そこは、わがまま凪です!


それよりも、まさか美香ちゃんがこんなに素晴らしい提案をしてくれるなんて……本当に妹としてほしい。


「美香ちゃん。ありがとう!」


「どう致しまして!」


そうお互いに言ってから、今日は寝る事にしました。

美香ちゃんも、もう眠かったみたいです。


「おやすみ。美香ちゃん」


「おやすみなさい。凪さん」



来週は翔斗くんとのお泊まりデートができます!

本当に楽しみです!!

そう心の中で呟いてから、私は目を閉じました。


結局私が寝れたのは、それから1時間が経ってからでしたが……


___________________________________________

80話読んで頂きありがとうございます!


美香よ、ナイスだ!

フェアが好きだ!私は好きだ!

いやでも、夜ちゃんからしたらフェアでは、、

いや、気にしない事にします!


あっという間で、もう総合PV18万突破しました!本当にいつも読んでくださっている方々ありがとうございます!


コメント、応援もしてくださってありがとうございます!

とても励みになっております。


レビュー、小説のフォロー、して頂ければ嬉しいです!

よろしくお願い致します!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る