古巻視点
第74話 1月10日 4月からどうしよう
凪と夜ご飯を、僕の家で食べることが決まった。
美香からは18時頃に帰って来て、と言われたので、凪の家は17時45分に出ようと思っている。
17時45分まではまだ2時間ほどあるのだが、僕は読む本がなくなっていた。
どうしようかと思っていると……
「あれ、もう読み終わっちゃったんですか?」
僕に気づいた凪が話しかけて来た。
「うん、読み終わっちゃった」
「そうですか……他の本って言っても確か今の本以外全部持ってるんですよね」
「そうなんだよね……」
本当にどうしようって思っていると、
「なら今度また遊びに行きたいので、その予定決めませんか?」
「いいね!そうしようか」
そうして、僕たちは今後の予定を決める事にした。
「私、クリスマスイブの時に行けなかったお寺巡りに行きたいんですど……」
「帰ったの凪だけどね……」
「もーそれは許してくれたじゃないですかー。すいませんでした」
「うんん。気にしてないから大丈夫だよ。じゃーいつ行こうか」
僕がそう言うと、
「そうですね、来週の土日か再来週の土日でしょうか」
「そうなるよね」
話し合った結果、再来週の土曜日に改めてお寺巡りに行く事になった。
今度は途中で帰られないことを僕は祈った。
2人で話しているとちょうど17時になったので少し早いが僕の家に移動する事にした。
家に着くと美香がリビングから顔を出す。
「あれ、お帰り。早かったね。もう少しゆっくりして良かったのに」
「お邪魔します」
「ただいま。まーね、切りがよかったんだ」
「なるほど……今日は私1人で作りたいから凪さんはお兄ちゃんの部屋で時間でも潰してて」
「あ、わかりました。お言葉に甘えさせてもらいます。」
そう言って、僕に許可を取ることなく美香と話した凪は手洗いうがいをしてから自分の家かのように階段を登っていった。
僕も手洗いうがいはしっかり行い、自分の部屋に行くと凪はもう、なにを読もうか迷っているところだった。
「この時間なら漫画かな?」
僕がそう言うと、
「そうですね、そしたら今日はこの漫画にします」
僕たちは時間まで漫画を読み始めた。
やっぱり漫画を読んでいると、時間が経過するのが早い。
すぐに美香から「ご飯できたよ」と声が聞こえて来た。
今日の夜ご飯の内容はいつもと変わらない。
しかし、量はいつもの倍作られていた。
(よくこの量1人で作ったな……)
「美香、この量1人で大変だったでしょ。ありがとね」
僕がそう言うと、
「別に量増えただけではそんなに大変じゃないから大丈夫だよ」
なんてことを言っているが、普通にこの量を僕が作るとなると、作れはすると思うが少しは手間がかかるだろう。
まあ、美香もこう言っていることだし、美味しく頂こう、と決めた。
「「「いただきます」」」
3人で声をハモらせながら、ご飯を食べ始めた。
いつもより賑やかな夜ご飯に僕は自然と楽しくなった。
美香と2人がつまらない、と言うわけではない。
もちろん楽しいが2人より3人の方が話も盛り上がるし楽しいと言うものなのだ。
食べ終わる頃に僕は凪に聞いてみる事にした。
「凪、」
僕の声に美香と話していた凪は話を止めてこっちを見てくる。
ついでに、美香も。
「どうしました?」
「いや、楽しんでくれているかなって。なんか上から目線みたいだね、ごめん」
「いえいえ、楽しんでますよ。複数で食べることがこれだけ幸せと感じるとは……誘って頂き本当にありがとうございます」
よかった。楽しんでもらえたみたいだ。
僕が聞きたかったのはこの後のことだった。
一度だけ美香に目線を送ると、美香も僕が言いたいことが分かったのか頷いてくれた。
さすが僕の妹だ。
「なら今後も一緒に夜ご飯を食べない?」
「え?いいんですか?」
「もちろん」と答えようとしてが美香によって遮られてしまった。
「良いに決まってるじゃん!お兄ちゃんと2人よりも3人の方が楽しいに決まってるもん」
美香の発言に少しだけ僕はダメージを負ってしまった。
「それなら……よろしくお願いします」
そうしてこれからは、僕と美香だけだった夜ご飯に凪が加わる事になった。
だけど僕は思った。
4月からどうしよう、と。
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74話読んでいただきありがとうございます!
夜ちゃん〜どんどん先行かれちゃうよーと言おうとしたら、私が夜ちゃんの出番を少なくしていることに気がつきました、、
ごめんね、夜ちゃん
さて、昨日新作の方も2話を更新致しました。
最近はどちらの作品も1話ずつで投稿していますが、土日は2、3話あげられると思います。
多分、、、
コメント、応援いつもしてくださりありがとうございます!
またして頂けると嬉しいです。
レビュー、小説のフォロー、まだしていない読者様もし良ければして頂けると嬉しいです。
(欲を言えば星3を、、、なんでもないです。)
よろしくお願い致します!
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