古巻視点

第72話  1月10日 集中するのであった。

僕は今、凪の書斎に来ていた。


そして、2人でラノベを読んでいるのだが、


     全く、集中できない





ほんの少し前のこと……



「大切な人はいます!」


僕の質問に対して、この言葉が凪の答えだった。


それだけなら落ち込んでいたと思う。

僕じゃない人かもって……


問題はその言葉と共に凪が行った行動だった。


僕のことを指差して言ったのだ……

凪は僕のことを指差しながら大切な人はいると言ったのだ。


これは流石の僕でもわかった。


凪が僕のことを大切に思ってくれていることを。


そして、その後に凪は言った、その人とはずっと一緒に居たいと思っています、と。


一緒に居たいと思ってる……そんなの好きと言っているみたいなもんではないか。


いや、まだ言い切ることはできない。

でも友達以上に思われていることはわかった。




そして、今の今まで僕の頭の中では凪のことで頭がいっぱいになっていた。


ラノベを開いてはいても、内容なんて入ってくることなんてなかった。






凪が僕のことを大切な人だと言ってくれたこと

、とても嬉しかった。

まぁ、直接言ってくれた訳ではないけど……


僕は凪のことをとても大切だと思っている。

凪には何かをしてあげたいと言うよりは、一緒に何かをしたいと思う。

もしかしたら凪に抱いている感情は好きではなく、あ……いや、まだ決めつけるのはやめよう。

これはこれから先2人と関わっていく中で出す答えだと思うから。




僕が凪に好きだと言う思いを伝えたら凪は受け入れてくれるだろう。

多分だけど……

でも、それはしたくなかった。


凪に対しての好きと美月に対しての好きは違うと思う。

だが、美月のことも好きだから。


確かに、思いの大きさは凪の方が大きいと思う。


辛い時に寄り添ってもらえた事もそうだが、僕にとっては、初めて趣味の合う友達が凪だったから。

美月よりも一緒にいる期間は長いし、その分思い出もある。

今でも、凪が本気で美月と関わるのをやめてくれと言った場合僕はそれに従うだろう。


だが、凪はそんなことを絶対に言わないだろう。

凪自身、僕がこんな中途半端な気持ちで好きと言われても嬉しくない、そう思うはずだから。




最近少しずつだが、2人の好きの違いがわかるようになってきた。


凪は一緒にいることで好きになったと感じでいる。


美月に関しては……惚れさせられたと僕は思っている。

自分で言っていて恥ずかしくなるし、何を言っているんだ、とも思う。


だけど、僕に美月に対しての気持ちを表現できる言い方はこれぐらいしかないのだ。


では、なぜそう思うのか……


それは、初めて美月と遊びに行った時のことだった。


僕が帰ろうとした時に言われた、言葉


「今日の翔くんもかっこよかったよ!!!

また行こうね!」


僕は美月の見惚れてしまうほど可愛い笑顔で言われたこの言葉で惚れてしまったのだと思う。


いや、凪にだって見惚れてしまうほど美しいと思う時はある。


先程の内緒みたいなポーズをされた時なんて本当に頭が狂いそうだったんだ。







いつかは、どちらかを選んで、告白をしなくてはいけないと思っている。


多分それが凪だったとしても、美月だったとしても、告白して振られたから、なら違う方に告白、なんて絶対にしたくないのだ。


だからこそ、僕は慎重に考えたいと思っている。

しっかり2人と接して考えて、1人に絞ってからアピールしたいと思う。



「翔斗くん?さっきから同じページですけど……」


凪からの一言で僕は考えるのをやめた。


「ごめんごめん!少し考え事」



そう言って、今度こそ僕はラノベに


      集中するのであった。


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