朝露視点
第27話 10月12日 これからも翔斗くんの前ではわがままでいよう
「なるほど……無理やりやらされるのは嫌ですよね。でも、今年は朝露さんが実行委員になった場合、僕も一緒にやりますよ!」
私は今、古巻くんからこんなことを言われました。
なぜ、このような話になったのか……
私が文化祭は嫌いだと伝えたからです。
そしたら古巻くんが今の言葉を言ってくれました。
私は思いました。
古巻くんがやってくれるなら私は実行委員が
「それなら……私、今年は自分から実行委員やろうかなって思います」
だから、私は素直に言うことにしました。
今日の古巻くんとのデートで確信したのですが、私は古巻くんに対して自分の気持ちをしっかりと伝えたいと思っているようです。
他の人にはそんなこと絶対にしたいと思いません。ですが、古巻くんには私が何を思っているのか、どうしたいのかをしっかりと伝えたいと思うんです。
そして、自覚してしまったのなら私はもう我慢したくはありません。
逆に我慢してしまうと今日みたいなすれ違いを起こしてしまうから……
だから私はもう古巻くんには遠慮しないことにします!これからはわがまま凪です!
……ひさしぶりに第一人称呼びましたが、懐かしいのと、恥ずかしいですね、、
私が1人で思考に耽っていると、
「じゃー今年は僕たち2人で立候補しますか」
古巻くんの方から誘ってくれました。
なんだか、最初よりも古巻くんが積極的になってくれていることに私はとても嬉しい気持ちです。
「はい!よろしくお願いします」
私は喜んで古巻くんからのお誘いを受けることにしました。
ですが、ここで問題がありました……
「でも、どうやって周りの人に勘付かれずに実行委員やりますか??流石に古巻くんと同時で手とかあげたら市川さん達は気付きそうですよね……」
「あ……確かにそうでしたね、」
古巻くんはそこまで頭が回っていなかったみたいです……
「とりあえず女子の方は朝露さんやることになるじゃないですか……問題は僕ですよね」
2人で作戦?を考え始めてから、第一の壁に当たっていました。
それは、古巻くんが実行委員をやる理由がないと言うことでした。
「他の人には普通にやりたいで通りますよね。でも……」
「はい……正樹と舞は絶対朝露さんと実行委員やりたいから?とか色々聞いてくると思います」
「そう……ですよね」
「「ん〜〜」」
お互いわからなくなっていました。
「やっぱり2人には正直に言った…」
「それは嫌です」
「そうですよね……」
私はそこだけはきっぱり断るようにしていました。
この人なら大丈夫というのはいくら信頼していたとしても信用はできないからです。
「あ、それなら僕が最初に手を挙げるでいいんじゃないですか?」
「それだと私が古巻くんと一緒がいいみたいに思われませんか?」
私的には嫌な感じしませんが……
流石にそれは素直に言いません。
「なら、どちらも嫌そうに言うのはどうですか?どうせ手を上げる人もいないと思いますし」
「なるほど、さらにやってあげるよ感出して言うのもありですね」
「じゃーこれで行きますか。あとは、他の人が手を挙げないことを祈りましょう」
どちらもイヤイヤという感じでやろうと決まりました。
なんだか、ワクワクしてきました。こう言うのも悪くない気がします!
私は文化祭の話が終わったので、先程から、いやあの時から思っていたことを、はっきりさせようと思いました……
「あの……古巻くん。古巻くんにとって市川さん、新庄さん、私ってどんな存在ですか?」
だから、私は少し意地悪な質問をしました。
「どんな存在……ですか。ん〜正樹と舞においては小さい頃から一緒だったこともあり、一緒にいるのが当たり前だと思っています。いたらいたでうるさいですが、いなかったらいなかったで僕は寂しいと思います。だから僕にとって正樹、舞は一緒にいて当たり前な存在です。
朝露さんは……僕にとって初めて趣味を共有できた友達です。好きなラノベやラノベの感想。ラノベだけではなく考えていることも最近は同じなのかなって思っています。まだ友達になって日数は少ないですが……もう朝露さんは僕にとって大切なそして失いたくない友達です」
古巻くんはそう伝えてくれました。
心から言っていることがわかるので嬉しいのですが、私が古巻くんに気づいて欲しいのはそこではありません。
「ありがとうございます。私も心から古巻くんのことを大切な友達だと思っています。ですが、そしたらなんで幼馴染の時と私の時で古巻くんは違うのですか?」
まだ私は意地悪をします。だって、古巻くん自身に気がついて欲しいから。
「違いですか?僕にとっては正樹も舞も朝露さんも同じくらい大切な友達だと思っていますよ?」
やっぱり古巻くんは気が付きません。
でも今日の私はわがまま凪です!
絶対に気が付かせて見せます。
「そうですか……古巻くんは
私は大ヒントをあげます。わざとらしくふむふむと顔を頷かせながら。
「なんで今、正樹と舞のことを名前呼びしたんです……かって、あ、もしかして」
ふふ……やっとわかってくれたみたいですね!
「そうですよ!なんで私だけ大切な友達だと言ってくれているのに、苗字呼びなんですか??ずるいです。ほんとにずるいです。私も名前で呼んでほしいです……凪と呼んでほしいです」
私はここ最近ずっと我慢していたことが言えてとてもスッキリしました。
「そ、それは確かにすいません。今度からは名前で呼びますね。でも、僕だけってひどくないですか?それなら朝露さ……いや、凪さんも僕のこと名前で呼んでほしいです」
私は名前を呼んでもらったことで顔が赤くなっていくのを感じます。ですが、まだ満足できません。
「凪が……。」
「ん?」
はっきり言おうとしまいましたが少し恥ずかしくて言えませんでした……私は一度深呼吸すると今度ははっきりと伝えます。
「凪がいいです。
「な、な、なら凪さ……凪だって呼び捨て……」
「それはいやです。翔斗くんは翔斗くんと呼びたいです」
私はもはや灼熱となっている顔を枕に押し付けます。
こんなに名前で呼ばれること、呼ぶことが恥ずかしいとは思っていませんでした。
「わ、わかりました。そこは……引きます」
翔斗くんの方も声の感じから照れていることがわかりました。
「では、改めて翔斗くんよろしくお願いします」
私がそう言うと。
「はい。よろしくお願いします……凪」
翔斗くんも返してくれました。
お互い照れながらではありますが、
また友達として一歩進めたのでは、
と思いました。
そして、私は決めました。
これからも翔斗くんの前では
わがままでいよう、
と。
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27話読んで頂きありがとうございます。
やっと長い長い12日が終わりましたね。
朝露さんもいやここでは私も呼ばせてもらいましょうか、、凪もやる時はやる人ですね。
名前を呼び合うところまで持って行くなんて。
そして、これからは文化祭に向けて動いていきます。2人は文化祭を経て関係に変化を起こすことができるのか、お楽しみにしていてください。
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