朝露視点
第21話 10月12日 人生で初めてのデートなのでは?
今日はついに古巻くんとお出かけの日です。実は、昨日全然寝れませんでした。友達と初めて出かけると言うのもありますが、古巻くんだからと言うのもあるのかなって思っています。
今は7時30分。
私は玄関で靴を履いて出る時間まで待っています。
理由は楽しみすぎて靴を履いていないと落ち着かなくなり、家の中を歩き回ってしまうからです。
「ラノベ・マンガ図書館……もちろん楽しみですが、やっぱり一緒に行くことの方が楽しみな気がしますね」
そう言いながら、私は今日のために買った服を見ました。この服は古巻くんと出かけることが決まった翌日に学校が終わった後、古巻くんと帰ることをせずに買いに行ったものでした。かなり悩んだのですが、私はこの服に決めました。
理由としては……古巻くんがこの間、可愛いと言っていたラノベのキャラがその時青のワンピースを着ていたからです。ですが、この理由だけは絶対古巻くんにバレないようにしなくては、私が恥ずかしくて死んでしまいます。
1人玄関で、古巻くんにバレてしまったらどうしようと、体をクネクネさせてイヤイヤをやっていた私は気づいたら時刻が7時50分を過ぎているのに気がつきました。私は急いで服装を整えてすぐに家を出ました。
エントランスから出るともう既に古巻くんが待っていました。私はおはようございますと声をかけようと思ったのですが……
カッコいい。……いつもよりカッコいい。
と思ってしまい、声が出なくなりました。
チラッと古巻くんを見たら、私のことをよく見ていました。どうやらこの服装が気に入ってくれたみたいです。嬉しいのですがやっぱりずっと見られているのは流石に恥ずかしいです……だから、
「そんなに見ないで
……ください、恥ずかしいです。」
と、古巻くんにいいました。
「ご、ごめんなさい。可愛いすぎてつい……」
古巻くんからはこんなこと言われてしまいました。
この言葉に私はお世辞とかではなく心からそう思い伝えてくれていることがわかりました。
なので、私も素直に伝えることにします。
「……ありがとうございます。その、古巻くんも今日 はいつもと違ってとてもオシャレで
カッコいいです。あ、だからっていつもかっこいいと思ってないとかそんなことじゃなくて…………すいません」
……うまく伝えられなかったです。
ですが古巻くんを見ると顔を赤くしていたので嫌な思いはしなかったみたいで、ホッとしました。
少しの沈黙の後、古巻くんからの一言で今回の目的地、ラノベ・マンガ図書館に向けて出発しました。
出発してから1時間程で私達は目的地に着きました。そして、私はとても興奮しました。
だって、目の前に見たことない立方体の建物があったから。
……古巻くんの前で、はしゃいでしまったのはとても恥ずかしいですが。
そのあと建物内に入り1人600円のチケットを買いました。古巻くんは私の分も払うよと言ってくれましたが、流石に申し訳なかったので断ります。
ついにラノベ・マンガ図書館に入りました。1階はマンガ、2階はラノベとなっていたので2階に行きます。
2階は私にとって夢のような世界でした。
壁に並べられているのはどれもラノベ。
どこを見渡してもラノベ。
そして何より古巻くんと言うラノベ好きの友達と一緒に来られたことがとても嬉しかった。
古巻くんから今回はどう言ったジャンルの本を読みますかと聞かれたので、私は古巻くんのおススメを教えてください。そう、答えました。
……今は少し後悔しています。まさかこんな近くで古巻くんの話を聞くと思っていなかったから。
いつもは1人1つの椅子に座りラノベを読むので、肩も当たることはなかったのですが、今回は1つの椅子を2人で座っていることもあり、肩がどうしても当たります。そのせいで段々と顔が熱くなって行くのを感じました。そしてそれは古巻くんも同じなのだなと彼の顔を見て思いました。
1回でも意識してしまうと、もうそれ以外のことは全く耳に入って来ません。
私から古巻くんにおすすめを教えて欲しいと頼んで置きながら、全く集中出来ず気づいたら古巻くんのことを見ていました。
私は気付きました。
友達として接して来た古巻くんでも、近くで見た古巻くんはしっかり男の子のだったこと。
そしてここまで近くに異性がいることがないなかったから少しだけ、
……意識をしてしまったこと。
私は古巻くんが話している中、思いました。
もしかしたらこれは、
人生で初めてのデートなのでは?っと。
___________________________________________
21話読んで頂きありがとうございます。
昨日あげるつもりだったのですが、思いのほか忙しく結局今になってしまいました。
申し訳ありません。
話は変わりますが、なんとラブコメ部門週間ランキング24位まで上がることが出来ました。
ほんとにいつも見てくださる皆様のおかげだと思っております。ありがとうございます。
このまま欲張らず、地道にやっていけたらと思っていますのでよろしくお願いいたします。
誤字脱字、感想、ご指摘などのコメントお待ちしております。
レビュー、小説フォロー、応援などもしていただけると嬉しいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます