第2話 10月5日 妹から、まさかの提案をされてしまいました。
花に振られてから3日ほど経っただろうか。
今日は土日で学校は休み。
僕は未だに花との日々を思い出しては、泣きそうになったりしていた。
自室のベットの上でグズグズしていると……
僕の部屋に向かって足音が近づいてきた。
"コンコン" ノックされドアが開かれる。
「お兄ちゃん起きて…る?ってなんて酷い顔してるわけ??も〜いつまで引きずってるつもりなの。あんな最低な人なんか別れて正解じゃん」
そんなことをストレートに言ってきたのは僕より1つ年下、中学3年生になる妹の
僕と違ってとても可愛い顔をしている妹は男子にもモテるそうだ。
今のところ全部振っているとか言っていたけど……とりあえず僕の自慢の妹だ。
そんな妹から、厳しいお言葉をもらい何も言えない僕。
ほんとに情けないと思うよ…ごめんね美香
「そんなになっても何も始まらないんだからさ、とりあえず部屋から出てきてよ。せっかく朝ごはんも作ったんだから」
「…………わかった」
妹に促される形で一階のリビングに向かう僕。
僕の家はごく普通の一軒家。
お父さん、お母さんはお互い海外での仕事のため一年のうち指で数えられるぐらいしか家に帰ってこない。
実質僕と美香の2人暮らし。
役割分担とかもしっかりと決めており、ご飯関係全般は美香が行い。僕はお風呂、洗濯などをしている。
料理自体はできなくないし、むしろ得意の方だが、美香がしたいと言って聞かなかったので、この役割で落ち着いた。
リビングに行くと、机の上に綺麗に盛られたピカピカのお米、湯気が出てとても美味しそうなお味噌汁、綺麗に巻かれた卵焼きと焼き鮭が用意されていた。
土曜日の朝なのにここまでしてくれる美香にはほんとに頭が上がらない。
さらには落ち込んでいる心にはこう言った当たり前の日々がとても刺さるのだ。
また泣きそうになる僕。
「ありがとうな……いつも。美味しいご飯を」
美香にそう伝えると、
「いや、いつものことじゃん。落ち込み過ぎでしょ……ほんとに。お兄ちゃんならもっと可愛い人と付き合えるでしょうよ。いつまでもクヨクヨしてるなよ!」
僕を励ますために言ってくれているのだろうと思い
「ありがとう。そう言って貰えると心が楽になるよ」
と、返し。「いただきます」と言ってご飯を食べ始めた。
2人して何も話さず黙々とご飯を食べていると
「あのさ、お兄ちゃんはこれからどうしたいの??」
突然美香が聞いてきた。
「どうしたいとはどういうこと?」
質問がアバウトすぎたため聞き返した。
「だから、彼女とか作りたいとか思うのかって……こと。このままお兄ちゃんがずっとあの女のこと引きずってるのはみかとしても嫌なんだけど、、」
素直に花のことで落ち込んでいるのを見るのが嫌だったみたいだ。
「そうだな……お兄ちゃん的にはもう花のことは好きとかではないし、復縁とかなんて望んではいないかな。新しい彼女か、、お兄ちゃんにできるとは思えないな。今まで学校でも男の子としか話してこなかったし。別れたからって急に話しかけたら絶対狙ってるって思われそうで嫌だし……」
僕的には決して彼女を作りたくないとかは思わなかった。
花と4年間付き合って誰か特別な人がいると言うことは素晴らしいことだと言うのはわかっているから。
でもやっぱり、改めて彼女を作るってなると難しいとしか言えないのも事実だった。
そして、それを考えると花との思い出が蘇り、悲しいやら悔しいやらと感情が吹き出してくるのだ。
「それならさ、提案なんだけど」
僕の話を聞いて少し考えていた美香は何かを閃いたようだ。
「お兄ちゃん明日どこでもいいから1人で出かけて、誰か1人!この子だって思った子にナンパしてきなよ」
ん?え?ん?今なんて言った?
「ごめんなんて言った?」
あまりの発言に驚いてしまった僕は聞き直した。
「だから!明日町でナンパしてきなって言ってるの」
僕は妹から、まさかのナンパをしてこいと提案されてしまいました。
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2話読んでいただきありがとうございます。
美香の初登場です!
ちなみに翔斗と美香はお互い髪の毛の色は黒。顔はどっちもカッコいい、可愛いと呼ばれるような顔です。翔斗自身は自分のこと普通とまでしか思ってないみたいですが、、
ちなみに花は焦げ茶色のショートカットです。
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