第134話
ひさ…まで打ったときに、その言葉がスマホから流れてきた。
「休みやし、ダサい格好しててごめんなぁ」
一瞬で指が止まった。
画面の中の奏が着ていた服は、俺がプレゼントしたジェラ・ピケのルームウェアだった。
一気にコメントしづらくなった。
たぶん奏は俺が来るとは一切思っていなかったのだろう。
元々ルームウェアをプレゼントした理由はリスナーから貰ったルームウェアを着て配信するのが嫌だったからだ。
本来なら初めて配信中に着てる姿を見ることが出来て喜ぶ場面だが最悪な場面となった。
「ダサいルームウェアをプレゼントしてホンマごめんな。めちゃめちゃお願いしてやっとツイートしてくれた理由がわかったわ」
俺は怒りよりも申し訳ない気持ちになった。
このまま何もコメントせずに落ちようと思ったが、次々と奏の口から出てくる言葉に呆然となって配信を閉じるボタンを押すことが出来なかった。
「彼氏と別れました」
「えっ?!」思わず声が出てしまうぐらい驚いた。
「ちょ待って、待って、俺といるときは彼氏いますって言わへんのに別れたら報告するって何やねん」
当然、彼氏と別れたって聞いたから、リスナーは「デートして」「付き合って」ってコメントが一斉に流れた。
彼氏出来ました、います報告をしないのにわざわざ別れました報告をする意味が理解できなかった。
まして、疲れたので恋愛はしばらくはいいですって言うなら尚更言わない方がいいに決まってる。
言ってることとやってることがあべこべ過ぎて、結局はフリーだから誘ってねって言ってるみたいに聞こえた。
更に驚くような発言が続いた。
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