今だから言うけど、あんたバカ?

羽弦トリス

第1話武勇伝ばかり話すヤツ

こいつとは、単なる腐れ縁で何気なしに付き合ってきた。

仕事を転々とするヤツなので、居酒屋で飲ませたり、たまには少額お金を貸したりしていた。

こいつは一点だけ問題があった。

酒を飲むとクダを巻くのだ。以前所属していた組織の話しや武勇伝などをしゃべり出すのだ。飲めば必ず。

こいつに女が出来て、僕は最低1年付き合わないと婚姻届に署名しないと言っていたのだ

が、自信があるらしくサインさせ、付き合って3ヶ月で結婚したが、わずか2ヶ月後には離婚した。


また、知人から金を借りる言い訳に僕が急病になり、病院にタクシーで連れて行くからと、知人にウソを言って5万円ほど借りて、こいつはキャバクラに行きやがった!

やってる事がめちゃくちゃ。

こいつと最後になったのは、去年の11月。

散々飲んで僕に噛みつきやがった。

中卒のオレよりバカだ!

言葉も知らないクセに小説書くなバカ!

お前は、あまちゃんなんだバカ!

僕はニコリと笑いながら聴いていたが付き合いは辞めようと思った。

バカは他人をバカにしないとアイデンティティーを保てないのだ。


どっちがバカなのか分からない。

こんなヤツと付き合ってきた僕がバカなのか?

はたまた、こいつがバカなのか?

ま、携帯電話も繋がらなくなったし、もうこいつと会う事はないだろう。貸した、お金はとうとう返さなかったし。

所詮、人の道を踏み外したヤツだ。それでも、立派に働いている人もいるが、こいつは単なるバカだった。

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