〈マリコ視点〉









夢乃は昔っから面食いで…

恋愛に対して…男に対して夢をみ過ぎている…




年下の可愛い系の彼氏が出来たと思ったら

3週間で別れていて…理由が…





マリコ「苺オレ?」





「そう!待ち合わせ場所に着くとさ…

 駅とかコンビニにあるパックジュースを

 買って待っててくれるんだけど…」




マリコ「優しいじゃん」





「生の苺は好きだけど苺味のジュースとか

  チョコレートは好きじゃないんだもん…」





マリコ「・・・・言えば?」





「可哀想で言えないじゃん!

 向こうはカフェオレとかコーヒー飲んでて

 アタシもそっちがいいのに…」





マリコ「・・・・・・」






その前の彼氏の時は自分の飲み物しか

買ってないと怒っていたくせに

買っていればいたで

「また今日も苺オレかと思うとしんどくて」

なんて贅沢な愚痴を溢していた…




夢乃のはオシャレに敏感で

「プリンなんてイヤッ!」と月1で

美容室に通っていて

いつも手入れのされているミルクティーブラウンの髪に

色素の薄い白い肌に茶色がかった大きな目は

愛らしい人形をイメージさせるから…



雰囲気的には苺オレなんかを

可愛く笑って好んで飲んでそうに見える…





( まさかカフェイン中毒なんて思わないわよね… )






少し歩けばコンビニのコーヒーを買い…

電車に乗ると駅に行けば

ホームに売ってある缶コーヒーを買い…




一日に何本飲むのよって言う位に

手にはよくコーヒーが握られている…






マリコ「イチゴオレの…徳ちゃんだったけっ…笑」






シャワーから出て

寝る用のTシャツと短パンを見に纏いながら

そんな元彼もいたなと「フッ」と笑って

部屋に入るとさっき別れて

あのイケメンお兄さんと

うまくやっているのかと思っていた

夢乃がクッションを手に抱きしめ

「聞いてよ!」と冷蔵庫から勝手に取ったであろう

酎ハイを飲みながら座っていた…






マリコ「なに…もう引っかかったの?」





「ひっ…引っかかっる?」





マリコ「夢乃の悪い癖だよ…

   自分の審査に一個でも引っかかると

   なんか違うって直ぐに冷めるじゃん…」






アタシも冷蔵庫から酎ハイを1本取り出して

プシュッと開けながら言うと

「そんな風に見てたの!?」と

酔っているからか手を口に当てて

わざとらしいオーバーアクションをとって

「聞いて!」と人のクッションをバシバシと

叩きながらアタシが帰ってからの話をしだした





「信じらんないッ!!あのオヤジ!」





マリコ「オヤジって…30くらいじゃなかった?」





「一歳でも上ならもうオヤジよッ!」





夢乃はだいぶご立腹みたいだけど

アタシは内心よくやったと思っていた…




別れてもまた直ぐにポンポンと

相手が見つかるから続く努力をしないし

イヤな所を見ても相手を受け入れ様としないし…





( ・・・ホントに桔平君は奇跡よ… )






「・・・はぁ…部屋出たいけど

  アパート借りるのにもお金いるし…」






マリコ「ホントに別れる気なの?」






「逆に聞くけど…

 運命の相手じゃない上に

 浮気してますよと言われた相手の待つ部屋に帰って

 ニコニコとしてられる?」





マリコ「まぁ…確かに?」





アタシも夢乃の占いを聞いて

たっちゃんとの相性をみてもらうのを

止めた位だし…

言われた夢乃のダメージは

ハンパないだろうなと思った…





「家電品とか全部桔平が買ったし…

  敷金、礼金に家具家電…

  30〜40万かかるしなぁ…」





マリコ「家具家電付きの所あるじゃん」





「えぇ…自分で選びたいじゃん」






( ・・・・・・ )





金の無い奴に限って

贅沢を言いたがるって聞いた事あるけど…





( あたってるなあぁ… )





あのお兄さん…

金銭面もガツンと

言ってくれてたら良かったのに…








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