この恋…運命何%?
みゅー
運命の相手ではありません
〈ユメノ視点〉
占「・・・・・」
「どっ…どうですか??」
占「・・・前世からの縁でございます…」
「ぜっ…前世!?」
同棲中の彼氏との恋愛運を見てほしくて
特急電車に1時間揺られて
噂の占い師に元に友人の麻梨子と来ていると
桔平とは前世からの縁だと言われ
隣に座っている麻梨子も
「ついに結婚!?」と私の手をギュッと握っている
私…八重桜 夢乃(24)は
今まで付き合ってきた異性の数は
アッサリ2桁を通り越して
少なくはないけど…
3ヶ月続いた彼氏は今付き合っている
桔平だけで、間違いなく運命の相手だ…
マリコ「やった!やった!!
来年は仲良くバージーンロー」
占「この人…運命の相手ではありません!」
マリコ「・・・ド……えっ??」
「・・・・へっ!?」
手を繋いでいる麻梨子に顔を向けると
麻梨子も口を半開きにしたまま固まっていて
私をキョトンと見ている…
「・・・・んッ!?」
目をパチパチとさせながら
麻梨子と繋いでいる手をパッと離し
占い師の方に体をグッと近づけて
「うっ…運命の…」と問いかけると
50代女性の貫禄ある占い師は
小さい首を横にフリながら
「相手じゃありません」とハッキリと言った…
( ・・・・運命の…相手じゃ…ナイ? )
「でっ!でもさっき前世からの縁ってッ!?」
ガタッと勢いよく立ち上がり
少し息を荒くしてそう問いかけると
占い師のオバさんは鼻から「ふぅ…」と
息を出して呆れた様に「座ってください」と
言うと「いいですか…」と
話し方急に変わり説明しだした…
占「アナタは前世で彼にとても
迷惑をかけていますね…
なんていうか…
彼にのし掛かった生活をしていて…」
「のし…のし掛かる??」
マリコ「・・・・ヒモ…って事ですか?」
麻梨子の発言に眉間にシワを寄せて
パッと顔を向けると目の前に座っている
占い師のオバさんが
「まぁ…現代でいうとそうですね…」
と言い、またパッとオバさんに顔を向けて
「私が桔平のヒモッ!?」と声を上げると
「前世の話ですからね」と
オバさんは私の前に差し出されている
お茶の入った高そうな茶器を軽く前に押した
マリコ「とりあえず一旦落ちたついて
ほらっ!一口飲んで深呼吸!」
麻梨子に茶器を手に握らされ
飲みたくもない香りのキツいお茶を
口から喉へと流し込み
潤いも何も感じないまま
「でっ!?」とオバさんに問いかけると
占「・・・でも彼の方は
アナタを大切に思ってたみたいで
次の世…来世ではしっかりと自立して
ほしいと言う前世の彼の魂からの縁なのよ」
「桔平の魂がアタシを…大切に?」
マリコ「じゃあ…またうまく…」
占「いえ…アナタは今世にてもう自力出来たようで
巡り合った糸はもう解けかかっています」
「・・・・はい?」
迷惑をかけただろうが
苦しめただろうが
また巡り合ったのなら
そのまま添い遂げればいいじゃないと
オバさんに言うとまた首を横に振られ…
占「相手にその意思はないんですよ…」
「そっそんな筈はないッ!桔平は…」
オバさんは眉を下げて
言いにくそうな顔をしながら
「この方には…既に別の相手がいますよ…」
と占いの何ちゃらとかいう表を見ながら
そう…言って…
占「・・・3ヶ月ほど前から…
何か違和感とかない?
よくスマホを触っているとか
急に身なりを気にし出して
残業や出張が多くなったりとか…」
「・・・・・・」
マリコ「・・・えっ…あるの?」
確かに…急に美容室を変えて…
なんか…服もカッコ良くなった気がするし
トイレに行くときスマホを持ったまま
長く入る事が多くなっている気がした…
( ・・・そして…何より… )
キッペイ「繁忙期だから忙しいんだよ!
また来週から出張になっちゃったよ…」
付き合い出した時は
残業もほとんど無く定時に帰って来ていたのに
ここ最近はよく残業をして
急に出張に行く事もあった…
「・・・きっ…桔平が…浮気?」
結婚する気満々で来た
占いの館でまさかの
運命の相手ではないとハッキリと言われ
おまけに今一緒に住んでいて
帰る場所にいる彼氏には…
新しい相手が…いる?
( ・・・なに…それ… )
目の前がぐらっと歪んで見えてきて
オバさんと麻梨子の声もエコーがかかった様に
伸びて…段々と遠くなっていく…
( ・・・運命じゃない? )
アタシの一年…返してよ…
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