才能を喰う人
ビダイ物語
第1話 凡人の才能
私は何をやってもそこそこの成績、成果しかあげられない。
学生時代の成績は、平均点を少し下回るくらい。
5教科オール3、技能教科は2がちらつく。
野球部に所属していたが、年に数回代打で出番をもらい、大体三振で終了。
大きな大会では、ほぼベンチ外だった。
彼女は2次元で、リアル彼女は保育園時代以降いない。
子どもの頃は、一人っ子のせいか、両親、親戚にちやほやされて育った。
何をしても褒められ、持てはやされたため、自己イメージが肥大化していた。
何でもできる自分、認められる自分を誇りに思っていたが・・・
学生になると、周囲には才能豊かな人が多く、自分が特に秀でたものがなく、普通であることに気づく。
ひたすら、凡人の部類であった。
明るかった性格も、成人を迎える頃には、前髪を長くして背筋が曲がり、地味な服装で誰からも声をかけられない暗い人間になっていた。
ガソリンスタンドでバイトをしていた流れで、正社員となった。
仕事は嫌いじゃないけど、自分の人生、これでいいのかなと考えるときがあった。
SNSやYouTube動画を観ていると、自分にも何か才能があるんじゃないかと感化され、自己啓発系のブログやネットに釘付けとなっていた。
ある日、滅多に来ない一通のダイレクトメールが届いた。
「あなたの才能を開花させてみませんか?」
フィッシング詐欺だろうと思い、削除しようと思ったが、才能というフレーズが頭に残り、記載されていた連絡先に返信をしてしまった。
三日後、近所のファミレスに待ち合わせとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます