一時間目

キーンコーンカーンコーン


一時間目のチャイムが鳴り響き、席に座っていた八歳くらいの男の子と女の子が教卓の隣に立ちました。


廊下側の一番前に座っている、お姉さんが号令をかけます。


「起立、礼、お願いします。着席」


二人の先生が話す言葉が魔法のようにチョークが勝手に動いて書き始めました。


「今日の授業は図工です」


「欲しいものが無いときに使います」


二人は元気に言いました。


生徒はノートにメモをしています。


生徒のお兄さんが手を上げて質問をしました。


「先生、欲しいものが無い時とは?」


「えっと、ママやパパにおもちゃを買ってもらえない時とか取られちゃった時とかです」


「後は自分で作りたいと思った時に使います」


「ありがとうございました」


男の子と女の子はお兄さんの疑問に答えました。


大人も子どももイヌも宇宙人もみんな納得しています。


「早速をおもちゃ作ってみましょう!」


男の子が言いました。


教卓の上に材料は空き箱、紙、毛糸以外にも、針金、ねんど、貝殻など色々用意されています。


生徒は自分が使いたい材料を取って作り始めました。


ワイワイガヤガヤ


「ここに輪ゴムを入れればバネになるはず」


お兄さんは紙に設計図を書いています。


「牛乳パックだとこんなに簡単に作れるねぇ」


おばあさんは牛乳パックで紙トンボを作っています。


「ピンクの色鉛筆誰か使っていますか?」


「ツカッテイマシタ」


少女は宇宙人から色鉛筆を受け取りました。


「うー難しいワン」


イヌはしゅんとしている。


「手伝うよ」


「ありがとうワン」


先生の女の子がイヌの手伝いをします。


そうして全員が出来上がりました。


「発表してみましょう」


男の子は言いました。


最初はお姉さんです。


「私がつくったものは人形です」


お姉さんの前にはスカートをはいているグレーの髪の可愛らしい人形でした。


「ありがとうございます。スカートがすてきでしたね」


つづいてはイヌです。


「おいらがつくったおもちゃはこちらだワン」


イヌのロボットはダンボールに空き箱の貼って新聞紙とハギレ布をつめたものでした。


「ありがとうございます。お菓子のがらがかっこよくて、中の新聞紙が気持ちよさそうです」


その次は宇宙人です。


「ワタシ ガ ツクッタ ロボット ハ コチラ」


宇宙人の前には、たくさんの足があるくものような虫のようなロボットが動いています。


先生も生徒もこれにはびっくり。


「うわー! 電池もないのにうごいている!! ありがとうございます」


とここでチャイムがなって一時間目が終了です。


十分の休み時間をとり、二時間目のチャイムが鳴ります。

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