第105話 感謝と思い付き

食事を終えて全員で店を出る

みんながそれぞれアカツキ父に食事の料金を払って貰ったお礼を言うとアカツキ父は苦笑いしながらこう言った

「今の私にはお金を払うことしかできませんから…」

それを見聞きしたアカツキが再び謝罪をした

「ほ、本当にすいませんでした」

涙を流しながらの謝罪

「もういいです これ以上関わらないで貰えれば他には言いませんから」

突き放すような冷たい目線で言った

サーシャさんの肩を俺は軽く叩く

「サーシャさん、帰りましょう

アカツキさん、最後に一つだけ言わせて下さい もし本気で好きになったなら直接思いを伝えたほうが良いと思いますよ その方が相手に貴方の思いが伝わると思いますから では失礼します」

彼女も出来たこと無い俺が何を言っているんだろうか、でも俺なら好きになったら直接気持を伝えたい

「2人共、送っていくから待って また連絡するね」

薫子さんがアカツキ父に軽く手を振って俺たちに駆け寄ってくる

アカツキ父とアカツキは俺達が見えなくなるまで頭を下げ続けていた

近くの駐車場の薫子さんの車に乗り込もうとしたサーシャさんを薫子さんが優しく抱きしめる

抱きしめられたサーシャさんは嬉しそうな顔をしていた

「無事で良かった」

サーシャさんは誰とも連絡を取っていなく家に行っても出なかったみたいで薫子さんは凄く心配していたのだ

「心配かけてごめんなさい… タルルちゃんが助けてくれました」

「タルルちゃんありがとうね」

薫子さんが俺を見て言う

「大切な仲間ですから」

俺がそう言うと薫子さんに抱きしめられているサーシャさんの顔が真っ赤だ

「Vライバーに素晴らしい人材が揃ってくれて嬉しいわ さあ2人共車に乗ってね」

薫子さんがサーシャさんとのハグを終えて運転席に乗り込んだので俺とサーシャさんは車に乗り込む

先に俺の家に着いたので車から降りてから挨拶をして家に向けて駆け出す

「サーシャさんの放送楽しみにしてますね、薫子さんありがとうございました! お二人共お休みなさい!」

「弟くん、本当にありがとう お休みなさい」

「お休みなさい」

自宅に入ると雫姉が出迎えてくれた

「瑠夏、おかえりなさい お風呂入れるよー」

「ただいま、じゃあ入らせてもらおうかな」

風呂に浸かりながら今日の出来事を思い返す

アカツキさん、しっかり反省してくれればいいけど…

後はサーシャさんが配信を再開出来るといいな

そんなことを考えながらゆっくりとお湯に浸かり1日の疲れを癒した

風呂から上がり自分の部屋でゆっくりしているといつの間にか日付が変わっている事に気が付く

そんな時にふと放送をしたくなった

雑談枠でもしたいな

思い立ってTwitterに書き込む

みんなとお話ししたくなっちゃった

急だけど雑談配信をやるよ!

そう書き込み準備をして放送を開始する

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