第42話 世間って狭い

無事に自宅に到着した俺はスマホを見て驚いてた

未読のメッセージが30件となっている

ナユタさんだろうな

メッセージアプリを開きナユタさんとマナさんとタルルのグループチャットを開いた

ナユタさんとマナさんのメッセージを読んでみる

「おじさんに襲われました」

「ナユたんそれ本当!?」

「うん でも安心して!おじさんの家に連れて行かれる寸前にタルルちゃんが颯爽と現れておじさんを殴り飛ばしてくれたの!そのおじさんも警察に捕まってたよ! 警察の人の話だと今日の襲われてた場所で連日痴漢事件があってその犯人だったみたい」

「そんな人が身近にいたなんて怖ね リアルのタルルちゃんに助けてもらったの?」

「名前は聞けなかったけどあれは絶対にタルルちゃんだよ!ピンク色の髪で全身黒色コーデでカッコよかった!」

「あれ…その人」

「マナどうしたの?」

「実はね、今日の15時くらいに近所のスーパー行ってねその帰りの途中で

ナユたんに誕生日に貰ったバッグを盗まれちゃって犯人を追ってたの、そしたらピンク色の髪で全身黒色コーデの女の人が盗んだ男の人を背負い投げして捕まえてくれたの」

「それタルルちゃんだよ!」

「お礼をさせて欲しいって、言っても何も言ってくれなくて…」

「私の時も一言も喋らなかったよ」

「あの人…タルルちゃんだったのか」

「タルルちゃん既読にならないからわからないけど」

ここでメッセージは終了している

あの聞いたことある声だと思った人がマナさんだったのか

近所にみんな住んでいるんだな…

世間って狭いよ

どうメッセージするべきか

「お二人ともお疲れ様です」

「タルルちゃん!お疲れ様!」

「タルルちゃん、お疲れ様 それで、あの人はタルルちゃんなの?」

どうしよう、正直言うべきかな

「そうです、両方とも私です」

「やっぱり!タルルちゃんが私の王子様だったんだ!」

「どうして何も言ってくれなかったの?」

「実は朝から声を出すと喉が痛くて話さないようにしていたんです」

「そうなの!?大丈夫?」

「風邪?お大事にね」

「ありがとうございます、今日は放送休みなのでお二人の放送へお邪魔します」

「本当!?タルルちゃんの為に頑張る!」

「今度、お礼させてね」

「お礼とかいいですよ!気持ちだけで十分です!」

「お礼させてね!」

マナさん随分とグイグイくるな

「じゃあ3人で出かけない? きっと楽しいと思うんだ!」

ナユタさん!?何提案してくれてんの!?

「ナイスアイデア!お礼を兼ねて3人でデートしよ!」

「で、デート!?」

「NICEマナ!タルルちゃん、お礼させて欲しいな」

困るよ、俺、ボイスチェンジャー無いと話せないんだよ

「タルルちゃん、私達のこと嫌い?」

「嫌いなわけないじゃないですか」

「「デートしよ?」」

どうすればいいの!?

2人ともめっちゃグイグイくるんだけど!

「よ、予定が合いましたら…」

「予定あってもタルルちゃんを優先するよ私は!」

いや、ナユタさんそれってどうなの?

「タルルちゃん週末の予定教えて?」

「は、はい…」

週末の土曜日の午前中、2人と出掛けることになってしまった

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