第14話 マナさんの生放送開始

現在の時刻は12時50分、マナさんの生放送が始まる10分前である

一応ナユタさんにメッセージ送っておくかなと思いスマホを手にする

「もうすぐ放送時間ですね! パソコンの前で応援してます!」

メッセージを送るとすぐに既読がついた

「タルルちゃんからのメッセージ嬉しいな! 放送前はいつも緊張しちゃうよ マナからの通話待っててね!」

「はい!」

その数分後放送が開始された

放送画面にはデカデカと2人の3Dモデルが映っている

右にナユタさん、左にマナさんだ

「みんな!こんにちは!みんなのお姉さん、Vtuberのマナです」 

マナさんが横にいるナユタさんにアイコンアクトを送る

「Vtuberのナユタだよ〜 みんな今日は来てくれてありがとうね!」

ナユタさんが挨拶を終えたタイミングでマナさんが深々と頭を下げる

「昨日はリアルで色々あって放送休んでしまってすいませんでした 

ナユたんもコラボ出来なくてごめんなさい!」

「リアル優先って決まりだからね 私は気にしてないよ!」

リスナーからも問題なしというコメントが送られている

「みんな、ありがとうね! あともう1人謝罪と感謝を送らないといけない人がいるからこれから電話するね!」

誰だ? そんなコメントが数多く流れる

「ナユたん、お願い」

「これから電話するのは新人Vtuberのタルルちゃんだよ! 昨日私の放送を見てなかった人のために説明すると

マナが来れないから放送を止めようとしたんだけどリスナーさんの提案で他にコラボできる人を探したんだ

そんな時に、たまたま私の放送を観ていたタルルちゃんが名乗り出てくれて急なのにコラボしてくれたんだ!」

先日の出来事をナユタさんが嬉しそうに説明した

説明しているナユタさんをみてリスナー達はコメントする

昨日、告白してたもんね

凄く嬉しそうに話すね

惚れた?

そのコメントを見てナユタさんは顔を赤くする

「はいはい、みんな落ち着いて、

ナユたんはデリケートなんだからいじめないであげて」

手を軽く叩き場を静めるマナさん

「人見知りのナユたんが昨日だけでこんなになるなんてね、私もタルルちゃんと仲良くなりたいな!」

「タルルちゃんは話しやすいし優しいし、私の理想の人だよ!」

熱弁するナユタさん

「では、ナユたんの理想の人と通話してみたいと思います!」

パソコンの通話アプリに着信が入る、ついにきたか…

俺は呼吸を整えて応答ボタンを押した

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