　今は桜野森という地名で呼ばれる山間の土地である。

　昔から鬼火が頻繁に目撃されたり、神隠しに遭うとされ、近隣の住民の間では忌み地とされてきた。

　山林の中心部には、誰がいつの時代に建てたのかいっさい記録に残されていない謎の廃寺があり、そこには恐ろしい鬼が住みついているという伝説がある。

　また死人野森には古墳があったとも言われ、九十年代の半ば頃に地元の大学の研究チームが調査に乗り出した事があった。

　しかし、その調査はすぐに中断され、現在も再開される気配はいっさいない。噂によると関係者が相次いで不審な死をとげたと言われているが、真偽のほどは定かではない。

　このように、恐ろしい逸話に事欠かない土地であるが、桜野森自然公園の遊歩道を歩く程度ならば、季節によって移り変わる山林の景色が楽しめる穴場スポットとなっている。

　近くの渓流では釣りやキャンプも楽しめる。

　危険度ランク【Ｓ】

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