【第4章】目の前に見えるもの
第1話
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ドン! ドン! パリンッ!
プー! プー! プー! プー!
……なにやら外が騒がしい……。
思わず目を覚ましてしまう。
「ん……。勘弁してくれよ。明日も朝練の指導で早いのに……」
イラつきつつも、カーテンを開けて外の様子を伺う。
「嘘だろ……?」
音の鳴る方を見てみると、眠気が一瞬でどこかに消えていた。
ここは築30年ほどの2階建てアパート。
目の前には駐車場が広がっている。
そして、そこには今年納車したばかりの愛車がある。
傷付かないように常日頃から気にかけ、洗車だって欠かしていない。
たまに気に入った生徒や飲み屋で捕まえた女性を乗せてはドライブを楽しむ。
そして時には家に連れ込み……。
しかし、目の前の光景は、その楽しみを根底から崩すものになっていた。
自慢の愛車の窓ガラスは両サイドとも割られ、ボディの一部も何かに殴られたかのようにへこんでいる。
すると、視界の端で何かが走り去ったのが見えた。
「おい! 待て!」
半袖、短パンの寝巻姿のまま、急いで外に出て追いかける。
しかし、下に降りて辺りを見渡すが、その姿は見当たらなかった。
鳴り続けていた車の防犯ブザーが止まる。
「どういうことなんだよ……」
未だに何が起こったのか分からず、頭の整理が追いつかない。
せっかく家賃をケチってまでローンで買った車なのに……。
くそっ!
地元の不良グループがやったのか?
でも、さっき見た姿は一人だったような……。
暗くてはっきりと見えなかった。
この近辺は田舎過ぎるため、防犯に対する意識が低く、防犯カメラが設置されていない家がほとんどだ。
ドライブレコーダーもエンジン停止中は録画していないから、犯人を捜そうにも証拠が見つけれない。
そうだ! 警察に行かないと!
もしかしたら、他にも同じような事件が起こっているかもしれない。
俺は急いで警察に行き、被害届を出すことにした。
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