第6話
「く~~~っ」
「ごめん、なんか恥ずかしい話をしちゃったかも」
あまり思い出したくはなかったけど、ボクのありのままの過去を結葉に打ち明けた。
今思うと、完全に告白みたいなことまで言ってしまっていた気がするけど。
「もう! 柊ったらどんだけ私が好きなの?」
「あはは~」
「嬉しいよ。そうやって私のことをずっと思っててくれたのは。でも」
「でも?」
さっきまで頬を赤らめながら照れていた顔が、急に不貞腐れたような表情へと変わり、
「たしかに、私は知らない人のところに行きたい理由を聞いたし、その理由も話してくれたけど、高校に入ってからの真中さんとのイチャイチャエピソードまで聞きたいって言った覚えはないんだけど~」
「ひはい! ひはいよ! ふぶは!(痛い! 痛いよ! 結葉!)」
ボクの頬が渾身の力で引っ張られる。
そのまま皮膚ごとつるんと剥けてしまいそうだ。
「よし! これで許してあげる。でもありがとう。本当は話したくないことだと思うのに話してくれて」
「うん。でも結葉だから」
「く~~~っ! なんか最近、私が喜ぶツボを的確についてくるよね」
「そうかな?」
「そうだよ! 私も柊を喜ばせてあげたい~!」
ボクにとっては、こうやって一緒にいてくれるだけでどれだけ救われていることか。
さすがに、これ以上言ってしまうのは恥ずかしいので、結葉の反応を楽しむことに徹して、勉強会という名のただのおしゃべり会は幕を閉じたのだった。
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