【第7章】苦戦! 人間の姿をした悪魔‼

第1話

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 時刻はすでに深夜2時。


 辺りの景色は真っ暗で、この世界そのものが寝静まっているかのよう。

 秋風が吹き荒ぶビルの屋上。

 昼間の穏やかで温かい気候とは反対に、今は肌寒さを覚えるほど冷めたく、コートを着込みたくなってしまう。


 そんなところに、一人の男がポツンと立っている。

 一歩踏み出したら、そのまま下に落ちてしまうところに。

 その男の着ているスーツは、何日も手入れをされていないかのようにしわくちゃ。

 頭もボサボサになっている。


 そして握り締められた手には「解雇通知書」と書かれた書類。


 その目には光すら宿っていない。

 まるで生きる希望が何も持てず、人生を嘆くことすら諦めたかのようだ。


「……もう死にたい……俺の人生ガチャは……大ハズレだ……」


 そして、男が最後の一歩を踏み出そうとしたそのとき、


「だったらあなたの人生、あたしが変えてあげる」


 男は後ろを振り返る。

 陰のせいでどこの誰なのかは全く判別できない。


 しかし、その声の主は確実に小さい女の子だ。

 暗闇に浮かぶそのシルエットも子どもそのものだった。


「ふふふッ♪」


 可愛らしい微笑み。

 はたして、この微笑みの裏には一体何があるんだろうか。

 男は一度だけ息を飲み、そっと口を開く。



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