347 モチベーション向上
こんにちは。
昔テレビで見たのだと思うのだけど、お針子をしている方の作業風景で、もの凄く大きな針山を使っていたのが印象的だった。
その大きさは、大体直径が25センチほどの丸だったと思う。クッキー缶を再利用して針山にしたような、そんな物だった。
それを見た時私は、その大きさは無いわぁ~。逆に作業に邪魔じゃない?と思っていたのだけど、今だから分かる。その大きさ、便利です。めちゃくちゃストレスフリー。
まず、大きくて見失わない事、重みがあるから片手で針を抜ける事はもちろんだけれど、針を戻す(刺す)時に的が大きいから神経が緩まる瞬間が出来る。そして何より良いのは、針の種類をカテゴライズ出来る事。長い針、短い針、細い針(絹用)、刺繍針も何本取り用の針とか色々種類があって、その全部を刺しておける。「今回使う針は……」とどこかから出してこなくてもいいのだ。そして刺繍となると、一度にたくさんの針が必要になることが有る。糸の種類を変えるのに、針を付け替えたりしたくない。刺繍糸を針に通すのはちょっとしたことだけれど、面倒だし。
その全てを大きな針山を解決してくれる。一年に一度くらいしか使わない人には大きくて邪魔だろうけれど、頻繁に使う様になってあの無駄とも思える大きさが必要だったと初めて分かりました。周りが無駄だと思っていても必要な事ってあるんですね……
と言うわけで先日自分なりの針山を作ったのです。クッキー缶の大きさは私の作業部屋のスケールでは大きすぎるから、10センチ四方の木製の器で作りました。糸のカテゴライズを明確化するために、五つのお団子状の針山を作って、お月見団子のようにお皿に盛り、固定しました。これが何とも使い勝手が良い。今まで裁縫道具の底で眠っていてた、刺す場所のない刺繍針やら長い針を出してきて刺し、編み物の閉じ針も団子の隙間にイン。糸通しも隙間に収納できる。
普通の糸ならさっと通せるけれど、刺繍糸を通すのは糸通しが必要で、別で収納しているそれをわざわざ出してきて、使っている間見失いがちだし、すごいストレスだったんですよねぇ。ちょっとした事だけれど。
また、待ち針と針山を別にしたことで、目で確かめながら待ち針を抜かなくても間違いなく使いたい針を抜くことができる。待ち針を生地やパターンに打つときって、針山の方には目線をあまり向けないので、必要な要素なんです。それらが全部解消しました~。素晴らしい。
物を作る事はまず道具。道具が大切。ぴたりとはまる道具を使うと気持ちが違う。もちろん使いやすさもあるけれど、見た目もかわいいし目に入ると和みます。そして使いたいから仕事が捗る(笑)
テレビでとび職の方が、腰回りに装備する仕事道具を全て同じメーカーの黒でそろえているのは、かっこいいからだとおっしゃっているのを見たことが有りますが、それがすごくよく分かる。必要な事なんですよねぇ。モチベーションです。
職人がしている無駄は、無駄じゃない。遊びも何かしらの意味がある。
ものづくりをする人以外でも、モチベーションが上がらないのは、もしかしたら道具のせいかもしれないですよ。雨の日に好みの傘を使うとか、椅子を新調するとか、通勤のコートやマフラーを奮発して買うとか。
女性はよくネイルがそれだとか聞きますが。精神安定剤だとか。私はあんまりその感覚が薄いから(針で突いて傷だらけにしたり、爪で糊を剥がしたりする作業も時々あるし)そこまで日々のモチベーションについては考えてしなかったけれど。
いやー、良いですよ、大きな針山。作ってよかった。
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