第29話 アリスの戦力アップ

俺とアリスは安息の間に入った。


オリハルコンゴーレムのドロップしたアイテムのうち3つを持ち去った。


アリスの鑑定でスキル付与可能な超レアアイテムと特殊アイテムだと言うことが分かったからだ。


アイテムの種類は麒麟の鱗が2種類と収納鞄だ。


麒麟の鱗とはスキルを授ける超レアアイテム。


麒麟の鱗は2種類あった。一つが【収納魔法】、もう一つが【付与魔法】だ。


アリスと話しあったが、収納魔法も付与魔法もアリスに習得してもらうことになった。


俺には魔力がないから魔法は不要だ。


その代わり俺は収納鞄をもらった。


ただの鞄じゃない。


見た目は小さなポーチの様な鞄だが、馬車1杯分の荷物が入るそうだ。


これまで服に紐でぶら下げていたエリクシールやポーションを収納鞄に入れた。


アリスの付与魔法は俺の剣にアリスの魔法の属性を与えることができるようだ。


それにアリスの血術式も適当なアイテムに付与できる。


血術式の欠点は都度自分の血がいると言うことだ。


俺の巫術のようにアイテムに付与して戦う方が長期戦には向いていると思う。


最後のラスボスはエンシャントドラゴンだ。


当然、長期戦になると思う。


そしてスキルチケットはアリスにあげた。


俺の能力を増やせそうなスキルはもうない。


それよりアリスのステータスを底上げした方がいいと思った。


考えた末、アリスには身体強化のスキルを覚えてもらった。


アリスはまだカンストしてない。


アリスの能力【吸血姫】はなんと全属性の魔法を習得するそうだ。


魔法に関してはチート中のチートだ。


それでアリスのステータスボードを覗くと。


【名前】アリス


【能力】吸血姫


【レベル】50


【HP】20590+1000(女神の祝福)+20590(身体強化)=42180


【MP】19175+19175(身体強化)=38350


【魔力】21095 +21095(身体強化)=42190


【腕力】5045 +5045(身体強化)=10090


【防御】8530+1000(女神の祝福)+8530(身体強化)=18060


【敏捷】21145+21145(身体強化)=42290


【器用】16045+16045(身体強化)=32090


【スキル】


血術式Lv100


神級氷魔法Lv100


神級風魔法Lv100


神級収納魔法Lv100


神級鑑定魔法Lv100


神級付与魔法Lv100


上級治癒魔法Lv100


身体強化Lv100


【所持スキルポイント】10000




俺の能力は何も向上しなかったが、アリスの戦力アップが頼みになるかもしれない。


ポンコツだったアリスも最近はとても活躍してくれる。


今の俺たちならどんな強敵とでもやれると思った。


こうして俺達は1泊休むとドラゴンの階層に降りて行った。


☆☆☆


最終階層はドラゴンの巣窟だった。


だが意外とあっさりドラゴンを討伐出来た。


「血術式。薔薇の斬華輪!」


アリスの血術式がサンダードラゴンを切り刻む。


自身の血は使っていない。


倒したドラゴンの鱗の下の皮を剥いで、それにアリスの付与魔法で血術式を付与した。


魔法も付与したが、俺がもらった。


アリスはどうも詠唱破棄ができるらしい。


膨大な魔力で魔素をコントロールできるらしい。


俺の武術言語の常駐と同じだ。


俺は今、自然に闘気を体に取り込んでいる。


呼吸するだけで闘気が身体中に巡るのだ。


「氷晶の刑戮!」


今度はファイヤードラゴンを氷の魔法で瞬殺するアリス。


負けてられんな。


「阿修羅剣!」


俺は部屋のドアを開けた途端、相手を確認する間もなく加速で近づいてドラゴンを一閃、真っ二つにした。


ドラゴンはあの暗黒竜バハムートだった。


「ずるいよノア君。抜け駆けだよ」


「いや、ここのところアリスばっかりで俺、暇してたし」


「ぷぅぅぅぅーーーー」


アリスが頬を膨らます。


自然に笑顔が溢れる。


何か、俺は変わったな。


ちょっと前まで復讐鬼で笑うなんてことなかった。


いや、命の危機に再三出会い、笑うどころではなかった。


でもアリスと出会ってからすっかり俺は変わった。


俺の剣は一撃でドラゴンを真っ二つだし、アリスの魔法は属性が合えば一撃で終わりだ。


そしてアリスは更にレベルを上げて行った。


意外とエンシャントドラゴンは簡単に倒せるじゃないか?


そんな慢心が芽生えてきた。


そんな筈もないのに。

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