第一章 私の小説履歴書
小説を書き始めたきっかけ その1
まず最初に、自分の原点となる部分からお話ししていこうと思います。
本編は第二章からですので、この第一章は読み飛ばしてもらっても構いません。
元々私は決して勉強ができるタイプの子供ではありませんでした。それに本なども読む習慣もなく、ロクに宿題もやらずに先生に怒られているような子でした。
そんな私が好きだったのはゲームです。当時はファミコンが家にあり、ゲームなら何時間でもできるくらい熱中していました。学校をズル休みしてまでゲームばっかりしていました。
ファミコンには多くのソフトが出ていましたが、子供ですからそれら全てを買うことはできません。でも、新しいソフトは欲しい。
そんな中で私が考えた手段が「ゲーム雑誌」でした。
現在のゲーム雑誌はゲームの紹介記事がメインですが、当時のゲーム雑誌にはゲームの攻略情報も多く載っていました。雑誌を読むことで脳内でゲームを想像していたのかもしれません。
その結果、持っていないゲームの攻略情報にも詳しくなっていくとともに、新しいゲーム雑誌が創刊されたらすぐに手に取って読み漁っていました。
そんな私が小説と出会ったきっかけもゲーム雑誌でした。
小学館から「ゲーム・オン!」という雑誌が創刊され、もちろん私はすぐに飛びつきました。
食い入るように雑誌を読んでいると、真ん中くらいのページに和智正喜氏の『カラーズ』というライトノベルの新連載の予告編が掲載されていました。
彩術師と呼ばれる魔法使いが異次元から現代東京にやってきて戦う、というのが、大まかなストーリーです。
それを読んだとき、私は衝撃を受けました。
「ファンタジーなのにファンタジーじゃない」というのが率直な感想でした。
子供の頃の私のファンタジーのイメージはRPGです。魔王に支配されている世界を救うために勇者一行が立ち上がり、レベルを上げながら冒険をして、やがて魔王を倒す。ほとんどのRPGがこんな内容であり、これはこれで王道で面白いのですが、ゲームとして成立させるにはそういったストーリーの方が都合が良かったのかもしれません。
ですが小説にはそれがありませんでした。魔法を使うし、戦いもあるし、RPGによくある要素がありつつも、東京に現れた少年は追手の襲撃から逃げつつも、戦いに巻き込まれていきます。
魔王もいません。冒険の資金をくれる王様もいません。ヒントをくれる村人もいません。ゲームばっかりやってきた私にとって、小説の展開はまるで予想できません。だからこそ「この先どうなるんだろう」という思いが溢れ、早く読みたくなりました。
しかし、連載は次の号から。
雑誌には和智正喜氏の既刊『銀の腕輪のユーリ』という本がスーパークエスト文庫から発売されているという情報も載っていましたので、さっそく本屋へ行って買いました。
内容に関してはもう忘れてしまいました。
『銀の腕輪のユーリ』を読み終わった私は、すっかり小説に夢中になっていました。
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