第13話~お願いしてみよう!!~
今日も今日とて朝からフワオンにログインする俺。やっぱ、VRゲームは最高だぜ!!
しかしログインした途端、周りの人はこちらを見てきた。
あ~そういえば昨日、決闘したんだっけ。パーティーに入れやなんか言われて、ああいうことはもう懲り懲りなんだよな。
「パーティーか~。元々ソロでやる予定だったけど、こういう事が続くなら入った方がいいのかな」
けど、入るならある程度信用出来るところがいいな~。
俺が頭を悩ませているとあることを思いついた。
「あそこなら信用できるかも」
思いついたら早速行動だー!
・・・
俺は街の外に出て東の草原に来ていた。外ではスライムや角のないウサギなどがおり、そいつらとプレイヤーが戦っていた。
「さてと、ここら辺でいいかな。」
いるとは確信が無いが、俺の事が好きなら陰ながら見守っているはずだ。
「女神教団の人!出てきて!」
俺は女神教団の人とパーティーを組むことにした。こいつらなら俺の事が好きらしいし、知らん奴と組むよりはいいだろう。
呼んでみると近くの草むらから、カサッと聞こえた。どうやらいるようだが出てくる気配がない。それなら俺にでも考えがあるぞ。
俺は人差し指を唇に当て言う。
「出てきたら、いい事してあ・げ・る♪」
そう、小悪魔にちょっとなる事にした。これなら出てくるはずだ。そして、言った瞬間
「「「「何でしょうか!!女神さま!!!」」」」
草むらから四人の男が出てきた。
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~スザク視点~
俺の名はスザク。ギルド『女神教団』の第一隠密部隊の隊長だ。フワオンの正式リリース初日、初めて天使というものを見て追いかけいると、ギルマスに捕まり『女神教団』に入った。俺はβテスターで職業が『暗殺者』だったので、即戦力としてこの第一隠密部隊の隊長を務めている。
隠密部隊とは主に天使さまの護衛だ。護衛と言っても陰ながら護衛し、基本天使さまを見守るだけだ。あとは、昨日あった天使さまとの決闘を仕掛けた馬鹿どもとかに制裁を加えたりしている。
さてと、今日の午前中は天使さまの護衛だ。ああ、天使さまのお姿を半日も見られるなんて、なんて幸福なのだろう。
そうして、天使さまのログインを待っていると、天使さまが現れた。今日も可愛らしいお姿しております。天使さまは以前、第二隠密部隊が見失い探していると、猫耳尻尾パーカー姿の天使さまが現れ、ギルド内は悶絶していた。閑話休題。
そうして、天使さまが少し悩んだ顔をしていると、悩んでいる顔も可愛らしい。
おっと、天使さまが移動された。俺は部隊の仲間に合図をし移動した。
・・・
天使さまが来た場所は初心者フィールドの東の草原だ。何しにここにしたのだろうと思っていると
「女神教団の人!出てきて!」
急に我らが呼ばれた。俺は天使さまの呼びかけに応じようとしていたが、辞めた。護衛中には規則があって、天使さまがリスポーンする可能性が極めて高い時しか出てきてはいけない。という規則がある。俺はその規則に則り出てこなかった。部隊のメンバーも一緒で多少動きはしたが、天使さまの前には出てこなかった。
メンバーが出てこなくてほっとしていると次の瞬間、天使さまが反則的な行動をとった。
「出てきたら、いい事してあ・げ・る♪」
「「「「何でしょうか!!女神さま!!」」」」
俺と部隊メンバーが天使さまの前に跪いた。
はっ!?しまった!天使さまのお言葉に、俺の穢らわしい心が爆発してつい出てきてしまった。
「出てきてくれてありがとう!あのねお願いがあるんだけど」
「「「「は!何なりと!」」」」
「えっとね、お兄ちゃんたちの一番偉い人に会いたいの。だから案内してくれませんか。」
お、お、お、お兄ちゃんだって!!!!今までの人生では一度も言われたことのない言葉を、天使さまからいただけるとは!!
しかし、なぜ天使さまはギルマスに用があるのだろうか。しかし、天使さまのお願いだ。無下に扱うことはできない。
「分かりました。では我々についてきてください。」
「うん!わかった!それと、」
すると天使さまはこちらへ近づいてきて、俺の耳元に来て、
「だーいすき」
その言葉に俺は、忠誠心がより一層増した。
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