第6話―四つの前悪06―
眼前で闘志を燃やす五等騎士シザーリオ・ファクトベースに気圧されていた職員。
驚かされたことに「あっ、すみません」と頭を下げて締まらなかったのだった。
簡単な説明を聞いて、すぐ発行されたギルドカードを渡される。
今は受付から離れて
思ったよりも別状なく登録され手続きが終わったことに拍子抜けに肩の力が抜ける。
(これが噂に聞くギルドカードか……うん、これはこれで思ったより悪くはないなぁ)
名前を記された証のカードにシザーリオは眺めは
名誉のある家柄でしか示されおらず
(よし。ここから一等騎士にまで登り詰めてみせる。まずは大いなる夢を記念に魔物退治でもしよう!)
先ほどまで思い患っていたのが嘘のように軽やかな足取りで掲示板の前まで近寄った。
ギルドの掲示板には、その土地に住まわれる人達の悩みなどをイラストされた魔物など安価な紙で貼られている。
どこでもそうだが
公用語として使用されている言語が取得するのに少し難があり
そういった事情から文字が読めなくとも絵で理解しようと工夫がされていて文字は小さく控えめにと書かれているのみ。
ギルドで登録される者は武力や労力によって解決していくことが役目となる。
「ゴブリン…まるで
ドリルダークバウ…一人で挑むには骨が折れるだけでは済まないからパス。
スターディボア…苦しいだろうけど、これなら倒せるかもしれない。
よし、これにしよう」
スターディボアの貼り紙は、すぐ契れるようになっており彼はそれを勇ましく破るようにして受付の前に向かう。
解決するべき選択式の依頼をクエストと呼び、シザーリオはクエストを受注して村を出て退治に突き進むのだった。
―――シザーリオは、自分の考え無しな行動に後悔して恨むことになる。
「ブルウウゥゥッ!」
クア・レディックを出ると北西部に迷いの森と呼ばれる複雑な道とある森がある。
彼はそこに赴いて依頼内容にあった増えてきたスターディボアを数を減らすことが役目となる。
山菜を食べたりして採取するのに想定された提供される量が減っている理由であった。
「また前に突撃。攻撃が真っ直ぐの突進なのは単調で読みやすい!」
スターディボアの特徴はその色にある。
ダークグリーンの攻撃手話は、とても単純で全身で助走を加えて質量をぶつける。
回避することは難しくはないが猪突猛進するので一切の迷いがなく油断すると命中することはある。
「隙を見せたなら攻撃を決める!」
シザーリオは変哲もない剣を得物に、右に駆け出して回り込むと
油断しなければ脅威度は、そう高くない。
「これで三匹。次の獲物を探したいが十分な装備をせず迷いの森に来てしまったのは間抜けとしか言えない。
でもスターディボアなら容易い部類の敵に入るから、そんな相手であるなら村に戻るのは必要はないだろう」
自分を証明をするものであるギルドカードに舞い上がってしまい装備を整えずに魔物退治を一人で向かった。
そして楽観視していること。
関係の無い魔物を遭遇しても彼は冷静に静かに対応した。
「ニョロニョロと動くムカデがあぁぁッ!」
噛みつかれると毒をもらう大型のムカデ型の魔物を抜剣しての唐竹割りで一刀両断して反撃されることなく
それから四体目を発見して戦闘に持ち込む。
「いざ尋常に勝負を受けてもらおうか
ダークグリーンのイノシシ!」
シザーリオだけ発見して、背後による死角から攻撃して仕留めるという選択があったものの
なので正面に現れて中断の構えを取って勝負を挑むのだった。
「ブゥオオオオォォォーーッ」
その決闘を受けたとは魔物にはそういった概念は存在など知らず目の前に敵が湧いて来たとしか認識されていない。
前足を力を込めたスターディボアは一気に力を入れていた前足を爆発させて猛進する。
その攻撃を左に向かって跳躍して
そして、左に回り込むように走り出す。
「ぐっ!?…こ、こんなとこに呪いが――」
望まずにして持って生まれた呪われしアストラパーツ。
一般的に使われるのは外敵や強敵を相手に御するために神よって与えられし加護。
元来それは光栄に思わないとならない神聖なる効果。
意識によって発動させるものと条件を満たすと発現と分かれている。
その中でシザーリオは後者である条件によるアストラパーツ。発動させたのは呪いとして気味悪がられている〖
これは神であっても魔神に授けられし異能と一部は噂をされている。
「ブルゥ?ブルウウゥゥッ!」
わざわいのスキル
視界が歪んで見えるだけではなく距離感さえも分からなくなる。この発動条件にはシザーリオ自身も把握していない。
「くっ、距離が…つかめない」
スターディボアは頑丈さが強みとされる魔物で攻撃にはそこまで威力を誇らない。
だけど大きな攻撃の猛撃をまともに受けてしまうと負傷とまでいかない。
「う、うわああぁぁっーー!?」
直撃を受けた彼は宙に舞うことになり、地面に落ちてしまった。
何度も転ぶ回ってダメージの減少を取る。
止まるとしてシザーリオは片膝を地面につけるが立ち上がろうとする。
一種の激しい泥酔のような感覚で立とうとするのが困難だった。
「や、
無傷のスターディボアは息も絶え絶えにあるシザーリオを必殺の致命傷となる一撃を放とうとして動作に入る。
どうにかしないとならないと分かっていても呪いによる効果と
そんな絶望的な状況で。
「おいおい。こんなザコに苦戦するとは、ずいぶんと弱っているじゃねか兄ちゃんよ!」
立ち木の裏から素早く駆け出すと、そのまま背の大剣の柄をつかんで抜き出して
横から一閃。
血飛沫が舞い上がって横倒れる魔物。
それは一刀を以て絶命したのだとシザーリオは遅れて直感に気づいた。
「あ、貴方は…」
「オレの名はエスティマ。ただのしがない
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