109――かくれんぼ

 その子はいつも角に潜んでいた。

 狙い定めたかのような鉢合わせ。時には食パンをくわえている。その行動と表情からは、心の声が駄々漏れ。

 そこで「もういいかい?」と聞いてみた。「まーだだよ」との返事。

 かくして、僕たちの不思議な関係は今も続いている。いつしか僕もその子に恋慕の情を抱いていた。

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