ただ、つまらない人生

佐野 諒真

第1話 崩壊

2037年 2月22日、どこにでもある一つの家から、1人の男の子が生まれた。

彼の名前は母が命名した

名を、佐藤 大希

母が「大きな希望を抱く子に育って欲しい」と言ってなずけたそうだ

佐藤家は母が、佐藤 祥子

父が、佐藤 慎吾

母は、田舎から東京に上京

父は、土木作業の現場監督をしている

そんな、普通な両親の子供が僕だ

「生まれた時は誰もが平等にチャンスを与えられている」とか言ってる奴がいるがそうは思わない

育ててくれた人が同じでなければ、育った環境も違う

そう思うようになったのは、僕が中学生になった時だ

同じクラスに、木下 和也というやつがいた

こいつは僕の父が仕事をしている会社の社長の息子だ

自分の親が社長だからだろう

クラスの自分の言うことを聞かないやつに「パパは色んな所に顔がきっくんだぞ」

と言っては皆を脅し回っている

当時の僕は正義感が強く木下に向けて

「そんなのは親の力じゃないか」

と言ってやった

木下は不機嫌そうにして帰って行った

数日後、

僕は父に物凄い怒鳴り声で怒られた

「お前、社長の息子さんを殴ったそうじゃないか」

身に覚えがなかった

「そんなことしてない」

僕は必死に父に言った

「嘘をつくな」

父は聞く耳を持たなかった

父は最後にこう言った

「お前を人として見損なったよ」

ここから、僕のつまらない人生が始まった


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