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 それ以来、母親からの過干渉な連絡は減り、父親からは年に数回呼び出され、共に食事をすると「お小遣い」を渡された。

 これぐらいの距離感が一番丁度良く、波風経たずに生きられるのかもしれないと、娘はそんな自分の家族を、受け入れつつあった。


 23歳になって初めてできた恋人は、娘の欠落した自己肯定感を満たしてくれる、太陽のような存在だった。


 25歳になり、彼から結婚の申し出を受けた。娘はこれを受け入れ、彼の生家を初めて訪ねた。


 彼の家族は娘を温かく受け入れてくれた。


 他人の目を気にする母親は、そんな相手の家族に対して毅然とした態度を取りつつも、嫁いで貰うからと終始低姿勢な相手の家族に機嫌を良くし、結婚を了承した。



 父親には、会わせなかった。



 娘は、この人達と家族になれば、自分も幸せな家庭を手に入れられると、そう思うようになった。

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