世界の果てと終わりの前に
髙﨑 レイ
第1話 プロローグ
世界の外側でそれらを観察していた。
できる限りを尽くして隠匿していたそれは私の同胞か同類そしてあの子くらいしか観測できないだろう。
そうなるように長期間、調整していたのだから。
そしてあの御方が告げる限りではあの子は決定的瞬間には間に合わない。まず生き残れるかですら不明らしい。10年近く面倒を見てきた子の最期を告げられるのは思うことがあるけど……あの子なら何とか活路を見出すと信じていよう。
しかし生き延びると私と直接対決になるわけだけど……。
【 】はどうなることやら。
そんな個人的な感傷に浸りつつも準備を進める。ミス1つ見落とし1つないないことを確認して術式を起動していく。
探し出していないアレの所在次第では私たちの“計画”を完璧に破壊するだろう。
何せこの世が私を滅ぼすためだけに生み出したのだから。
ではセカイノオワリを始めよう。
「模倣術式並列軌道」
声に出して励起させた長座とモノクルが連動し格納していたライフルもどきが出てきて私の前で停止する。
「再現術式起動」
ライフルもどきのトリガーに指をかけるとモノクルに無数の文字が流れていく。それらは長座が観測した情報を私でも処理できるように最低限に伝えてくれる。
「まずは……」
とある一点を見つけ出し引き金を引いた。
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