第4話 国盗り物語

「それで情報が流出しようとしている、産業技術の話であるが……」

 大山課長が話をしている内容は、今話題の半導体の話であった。そこから技術流出のスパイがあるとの噂を聞きつけて、M9が動こうとしているとの話らしい。

「そしてチーム編成を行う予定だ。西口以下は第1班へ。谷本の列は第2班だ。そして私の列は第3班となっている。皆、チームの指揮官に後は従って欲しい」

 大西一馬のチームは第1班であった。大山課長のチームに編入されるかと思っていたが、どうやらそのような事は無かったようである。大西一馬は西口の班に編入されると、彼の話を聞いていた。

「という事だ。大山さんの話にあった通り、チームわけという事で、後は実行役を我々西口班が引き受ける事となる。皆、話をよく聞いて欲しい。これからの手順であるが……」

 大西一馬は西口の話をよく聞いていた。集中して、聞き漏らさないよう、メモを取って、彼の話に注目していた。新人の大西一馬は、誰よりも頑張ってその仕事ぶりを認められようと、努力して奮闘していた。

「それじゃあ行こうか。皆、出発の準備だ」

 西口が合図の手を叩くと、皆が一斉に動き出す。これから大仕事が始まると誰もがそう思っていた。

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