好きなことだけしてたいのです。

ぺらー。

0.きっかけ

「仕事を辞めたいのです」

『なるほど、どうして?』

「どうして、」


考える。

そもそも、どうして仕事を辞めたいのか。


『思ってることを全部言って良いんだよ。ここで不満を言っても、悪態をついても、子どものように泣き喚いても、誰も君を咎めたりしない』

「じゃあ、えーっと、まず給料が低いです」

『お金は大事だね』

「あと、上司が冷たいです」

『人間関係が悪いのは辛いね』

「あと、仕事内容のこととか、他にも色々あるんですけど」

『なるほど、それじゃあ一つずつ紐解いていくことにしよう。あぁ、その前に約束をいくつかしても良いかい?』


面談は一度に三十分まで。集中出来る空間で、リラックスしながらやること。

嘘はつかず、正直に打ち明けること。


「ところで、あなたは何者ですか?」

『何者でもないよ。性別も年齢も容姿もない。君の中だけに存在する者。人間の心には、本当の自分、というものが存在しているのは知ってるかな? それは潜在意識、宇宙、神様、心。人によって様々な呼び名があるけれど、つまりは、君の心の中に住まう本当の君にアクセスして、外側の君と内側の君を繋げるのが私の役目だよ。わかったかな?』


なるほど、分からん。

けれど、まぁ、なんでもいいか。自己対話が大事って金持ちのYouTuberが言ってたから。これは良いきっかけなんだと思う。




220101

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る