285-聖魔法大武道場剣術試合第一試合終了後の私達

「良かった、本当に良い試合だった!」


「はい、本当に!」


「ええ、この試合は精霊界で様々な方々にお見せしても喜ばれる筈よ。次の試合も併せて映像の複写を頂きたいわ」


 私達も嬉しい。


 最後は結局私がニッケル君、ナーハルテ様とセレンさんがライオネア様を応援していた。


 ライオネア様の半獣化とそこから繰り出された技を堪えたスズオミ君の凄さと言ったら!


 でも、何よりも賞賛されるべき事は二人がお互いを勝者として称える程に尊敬し合い、全力を出し切ったこと!


 そんな試合を間近で観戦する事が出来たのが嬉しい!

 しかも、ナーハルテ様達と一緒に!


『試合の余韻を楽しんでいるところ申し訳ないが、ニッケル、次の試合が終了したら僕に付き合ってもらえないだろうか。傍仕えの者が君に目通りをしたいと』


 そこに、兄上からの……念話?


 あれ、通信の水晶とか貴賓席内にあるのかな。

「この卓が通信の代わりになっておりますわ、ニッケル様」

 そうなの? すごいな、聖魔法大武道場貴賓席。


「あら、それは良いですわね、第二王子殿下」

「わたくしも、僭越ながら賛成申し上げます」

 朱々さんとナーハルテ様。

 

 え。いや、はい。元々兄上にはお会いしたかったし。傍仕えの方って、もしかしたら兄上が留学されるご予定の国の関係者さんとかなのかな。


『主殿、私からもお願い申し上げます。是非に』

 あ、寿右衛門さん。分かりました。


『えーと、兄上、分かりました。そちらに伺えば宜しいのでしょうか』

『ううん、予備の貴賓席に来てくれるかな。座標は朱色殿がご存知だよ。……じゃあ、またね』


『座標、と仰るのね。正しくは魔力なのだけれど』


『朱々、まだ試合が残っておりますから』

『そうね。まだだったわ。ごめんなさい』

 あれ、朱々さんとナーハルテ様、何か内緒のお話みたいだね。


『だったら、ここでお食事の準備をしましょう』

 そうだね、リュックさん。


 ありがとう、テーブルまで? 良いねこのテーブル。豪華な木目。折り畳み式なんだ。


『100円ショップさん万歳』

 あ、これ元は100均の折り畳みテーブルか!

 100円+税金じゃなくて、少し高価なやつだ! 

 さとりお姉ちゃんとお酒飲む時のおつまみ置き場にしてたやつ! 木目調の! うわ、豪華になって!


 そうそう、食事も色々リュックさんに入ってるんだよね。


 ええと、まずはナーハルテ様が喜んで下さったホットサンド!

 それからおにぎりがたくさん。あ、寿右衛門さんにもサラダとか……。


『あ、あたくしが貴賓席に飛ぶわよ。第二王子殿下と傍仕え様の所と、紫色ちゃん達の所ね。茶色殿と狐の騎士殿の所にも行きましょうか』


 ありがとうございます、朱々さん。

 だったら、兄上には鮭、ハンダさんはおかか、カバンシさんは梅! 緑簾さんは大体全部だったよね? あ、ツナマヨ!

 ビールも付けてあげようっと。飲酒はダメならカバンシさんとネオジムさんが止めて下さるよきっと。


 狐の騎士さんは千斎さんだね。喜んでもらえるかな。


 あれ、そう言えば兄上の傍仕えって。やっぱり高位に属される方なのかな?


 おにぎり、お気に召して頂けたら良いなあ!


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