詩『結露』

渡辺羊夢

詩『結露』

 ストレスは周辺の湿度を上昇させていく

 やがて結露し、雫が落ちる

 ストレスという目に見えないものがそこで初めて可視化される


 キレたことに問題があるのではない

 キレた人は社会の中でただ一番キレやすかった人というだけで、順番で行くとその人が一番最初にキレざるを得なかっただけの話だ


 ただ、この社会は目に見えるものしか信じない

 証拠主義だ

 キレた人を分析して、何が分かると言うのだ


 社会全体をひとまとまりの生命体と見なければ

 膿がそのキレた人を通して発現したまでだ

 社会の膿は誰からも発現しうる


 今日もまた湿気を含んだ水蒸気がどこかで結露する

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詩『結露』 渡辺羊夢 @watanabeyomu

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