こんなにも

それはたぶん

どこにでもある 些細なこと

誰にでも起こる

珍しくもないこと


それなのに


わたしには 起こらない

わたしには 関係ない

何故かわからないけど

思い込んでいた


ただ 近くにいられるだけで

近くにいると思うだけで

それだけで良かったのに

それすらも直に 叶わなくなる


そう知った瞬間から


胸が痛いの 涙が出るの

どうしても どうしても

おかしいね これじゃわたし

まるで失恋したみたいじゃない


恋なんてもう あきらめて

縁遠いと思っていたのに

そんなものわたしには

関係ないと思っていたのに


わたしが気づかなかっただけで

わたしが押し込めていただけで

わたしの心は いつの間にかこんなにも

あなたに恋をしていたのね


まだ 間に合うかな

わたし まだ

あなたに恋してても いいですか?

たとえそれが

遠くで想うだけの恋だとしても


いつか あなたとわたしが

おじいちゃんとおばあちゃんになっても

縁側の陽だまりで

お茶を飲みながら お話したいんだ

そんな風に なりたいんだ


わたしの心が こんなにも

そう願っていたことに 気づいてしまったから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る