第997話 ごちそうさま

 学生時代。


彼女は唐揚げ定食を食べ終わった。


「ありがとうございました」

「『ごちそうさまでした』じゃないんだね」

「だって、『ごちそうさま』は作ってくれた人への感謝であって、『いただきます』みたいに食材の命への感謝が含まれてないみたいに聞こえるから」

「なるほど?」

「私は決して人間如きに感謝などしない」

「そっちかよ。今夜ウチ来る? 鍋パーティーやるんだけど」

「マジで? ゴチんなります」

「意志弱っ」

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