第288話 無人島

 定番の質問をおくさんにぶつけてみる。


「無人島に一つ何か持って行けるなら、何を持って行く?」

「それって耐え凌げば迎えが来る公算はあるの?」

「さぁ……?」

「設定が甘い」


それでも一応おくさんは少し考えて、


「迎えが来ないなら絵の具」

「絵の具!?」

「壁画を残して後世上陸した研究家に『無人島のはずだったのに文明の痕跡があるぞ! まさか!?』って罠を仕掛ける」


タダでは死なないつもりらしい。後世そのツケを払う人がいるかは知らないが。

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