第248話 パソコンの辞書

「はぁーっ!? ふざけんな!」


リビングからおくさんの怒号が響き渡る。


「どうしたの?」


様子を見に行くとおくさんはパソコンに向かっていた。


「このパソコン野郎、『ともすれば』って打って表示した言葉の意味が『《ともすると》に同じ』って出しやがった!」

「うんうん、それで?」

「なのに『ともすると』って打つと登録されてないんだが!?」

「あー……」


おくさんは腕を組んで撫然とする。


「こんなの『食べたことない自社製品を「オススメ!」とかいう店員』レベル」

「うん? ……うん」

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