星の子たち~星の能力を解き放て~
プミラ 新人作家
山での出会い、そして特訓
STORY1 結果オーライ
星が光るのは、それが繋がっている人の希望が光となって光るからである。だから、人々は星の光に魅了されてしまう。もし落ち込んでいる人を見つけたら、夜空を見せることをお勧めしよう。心の闇は夜空の黒となり、逆に星を見ることで心に希望の光がともる。星は希望である。
星王の日記 12月4日より
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「はぁ、はぁ」
誰かのつらい呼吸が静かな冬の夜に切なく響く。助けを呼ぶことも考え実行はしたが、すぐに後悔した。そのせいで撒いたと思った星獣にきづかれてしまった。この時に思った。
「アンソニー・レストンの人生で一番の間違いだと語り継ごう。まぁその前に生きているかわからないけどな。はっはっはっは」
絶対にきもいだろ今の発言は。てかなんだよ、「はっはっはっは」って悪役かなんかか。正直こんなことで脳内会議している暇はないとわかっている。だが、そんなことを言ってしまうほど今日は不幸なのだ。
まず、修行のために山に登ろうとしたら地図を開始早々に無くし、
次に早く山から出たい一心で近道と思われる獣道を通ったら、通って行った先に星獣がいるし、
挙句の果てには、それが上から二番目の強さの二等星獣ときた。しかもだよ、本でしか見たことのないような神々しい一角馬だよ。修行の身の俺が勝てるはずがない。それで、逃げていたというわけだ。まぁそのあと墓穴を掘って第二ラウンドが始まったわけだが。
体力はほぼ限界だった。慣れない雪で歩いたのと寒さが体力を奪っていた。こんなんだから、俺は自分が嫌いなんだ。みっともないどころの話ではない。それだから、友人も守れ……これは止そう。死ぬ前に嫌なことは思い出したくない。自分が死にそうだとわかっていた。最後ぐらい、いい記念になりそうなのは……
そのときだった。夜空を見るとまるで教会のステンドグラスみたいなきれいな夜空があった。冬の夜空というのは澄んでいるのは知ってたが、場所が山奥というのもあって周りに明かりがなく、星がよく見えた。これだけは運がいいかもしれない。今日初めて思った。
しばらく星を見ていて決心した。
「よし、戦おう。剣を持つ身なんだから最後ぐらいかっこよく終わろうぜ、俺。」
星を見ることで希望をもらっていた。なんかやれる気がしたのだ。決心を固め星獣を呼び出すためにもう一度叫ぶ。最後の力を振り絞りさっきと同じ言葉を言うために精一杯息を吸って…
「助けてくだ、」
前言撤回。やっぱり今日はとことんついてないらしい。俺は叫んでいる途中で落雪にあった。多分星獣によって地面が激しくゆれ、落ちる寸前のところに俺の声で震えて落ちた。
「もう終わりだ。」
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「は~、ついてないな、俺。まさかストーブの薪が今シーズントップクラスの寒さの時に切らしてしまうとは。去年薪取りさぼらなければよかった。」
俺、アベル・ノートンはこんな時に薪を切らしてしまった。しかもきづいたのが夜だった。昼は雪かきしていたためストーブがいらなかったのだが、流石に夜は必要だ。寒くて眠れない。ただでさえ夜中に起きてしまうタイプなんだから、これ以上夜に起きてしまう理由を作らないでほしい。
「あと10本とったら帰ろう。」
そのときだった、
「助けてくだ、」
ん?今声が聞こえたような。とりあえず声のする方へ走っていった。こんな夜中に雪山にいるなんて正気ではない(俺はバカだから例外だ)。しかも助けてみたいなこと言っていた。
「あ、誰かいる!だいじょうぶか、おい!!」
何度も声をかけても起きない。
「体が冷えてる。とりあえず家に連れて帰ってストーブであっためないと。よかったぁ、薪拾っておいて。」
「「結果オーライだったわ」」
ふたりはこの話をするとこの言葉を毎回連発する。それほど運がよかったといえるだろう。
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