これは夢幻? 僕はお正月にもゲン担ぎ、『一年間風邪をひかないように』と食べることのあるキンカン。蜜キンカンになってしまったようだ?

かず斉入道

第1話 これは夢? 現実 ? (1)

「お~い! 皆~? 皆は僕の事を知っている? 知っているかな?」と。


 僕が声を大にして叫んだところで、何も聞こえない。聞こえないよ。


 だから僕は、もう一度叫び。尋ねてみることにする。


「お~い! 皆~? 僕の事を知っているかい?」とね。



「知らない」


「知らないよ」


「おレンジ色をした上にグラニュー糖がふりかけてあるような容姿。甘い。甘そうな容姿の君のことなど知らない。しらないな」


「え? あ、そう、そうなんだ?」


「うん。わかったよ。ありがとう」


 まあ、こんな感じ。こんな感じだよ。僕が声を大にして叫び、問えば。何処からともなく僕のことを。容姿の方を少しばかり侮るような台詞が聞こえてきたのだ。


 だから僕は「そうか~。ごめんね。変な事を訪ねて」と、落胆した声色で、取り敢えず皆様には謝罪、「御免なさい」と言った所で。僕が何者なのかを説明することにする。


 ◇


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