氷
@ponms
第1話
寒い冬のこと。泥鰌が住む池は凍っていた。泥鰌たちは池の外の様子はぼやけて了っていて上手く見ることができない。然し、泥鰌の子供たちはがぼやけているその景色が物珍しいためか楽しそうにしている。
その日の夕刻時分、三人の少年が凍った池にやってきた。二人の少年が怖い顔して肩を揺らしながら歩いている。その後ろを一人の少年が今にも泣き出しそうな面持ちで肩をすくめ歩いている。怖い顔をした少年が
「金は持ってきたのか。お前みたいなボンボンは鱈腹金を持っているだろう。少しはよこせ。」と怒鳴った。肩をすくめた少年は
「持ってこれるわけないじゃないか」
と泣きながら答えた。
「口答えするな」
と怖い顔をしたもう一人の少年が鋭い声で怒鳴る。
その様子を氷の下の泥鰌たちは楽しそうに見つめている。子供の泥鰌は
「楽しそうだね」
と云った。親の泥鰌も
「そうだね」
と云った。
翌日、明るい太陽が池に差し込み氷は徐々に溶けていった
氷 @ponms
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