ヒカリ

sharou

第1話

 あれは、一年前の出来事です。座布団の上に行儀よく座った彼女は言った。長い話になるならば、喉が渇くかもしれない。

「何か飲む? 安物しかないんだけど」

 試しにテーブルの上のものを進めてみたが、わたし、飲めないので、と、案の定、彼女は僕の勧めを断った。それもそうだよな。僕は缶ビールを一口飲んだ。

 じゃあ、始めますね。

 わたしには好きな人がいました。というと、語弊がありますね。わたしは今も彼のことが好きです。

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