ルーブ王国の伝説
藤浪智子
プロローグ 〜太陽王と光の勇者の物語〜
昔々、この世界のどこかに、艶やかな黒髪に宝石のような青い瞳を持った、それはそれは美しい人々が住む王国がありました。
その国の王様は、太陽の神様から与えられた不思議な力を持っていて、王様がお城の1番高い塔の上で金色に輝く楽器を奏でると、
人々から、王様は「太陽王」、そして月の光のような髪色の人々が住む王国のお姫様だった王妃様は「月国の姫」と呼ばれ、とても愛されていました。
世界中の人々が暖かい太陽の光に照らされ、幸せに暮らしていましたが、ただ1人、この光に包まれた明るい世界を消し去ろうとしている邪悪な心をもつ者がいました。
彼は、自らの魂を悪魔に売り、魂と引き換えに手に入れた力を使って、光を一筋も通すことがない、暗く恐ろしい闇で世界を覆ってしまったのです。
そして闇の中から〝暗闇お化け〟を作り出し人々に向かって放ちました。
暗闇お化けは、空を覆ってしまうほど大きく、どこか人間の様な形をしていて、恐ろしい大きな目玉をギョロギョロさせ、巨大な手で人々を襲ってきました。
その大きな口は、まるで人々が恐怖で逃げ惑うのをあざ笑っているかのようにも見えました。
混乱の中、勇気のある王様は、人々を守る為に1人立ち向かいました。
しかし悪魔が与えた力の威力は凄まじく、長い戦いの末、自らの力を使い果たした王様は暗闇お化けに囚われてしまったのです。
人々は完全に希望を失ってしまいました。
世界中が死を覚悟した時、どこからか一筋の強い光が差し込みました。
光の方を向くと、その光の中から1人の青年「光の勇者」が現れたのです。
勇者は手に持っていた光り輝く剣(つるぎ)を暗闇お化けに突き刺し、囚われていた王様を救い出しました。
勇者は王様と共に暗闇お化けを倒すと、闇を打ち払い、世界に光を取り戻しました。
世界は再び平和になり、人々はいつまでも幸せに暮らしました。
…おしまい。
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