第7話 パワーアップして戻って来た



 まだみぬ、しかし慣れ親しんだふりかけ米料理に思いをはせる事、数日。

 事態が動き出したのはそれから、二日後だ。


 なぜか、どっかにいっていたはずの神の教徒達が戻って来た。


 そういえばこいつら執念深いのが特徴だったな。


 イベントで攻略対象達にやられかけた教徒がいたんだけど、何度も復活して立ちはだかってくるんだよ。


 やってる時は、ホラーかよって思ったわ。


 これ、乙女ゲームじゃねーって。


 でもこれで原作イベントが元に戻ったな。


 運命を改変しようとしても、修整しにきたあれか。


 複雑だな。地元にあんな連中が戻ってくるってのは。


 俺のせいで、楽しい恋イベントが潰れるのは嫌だけど、それで命の危険が増えるっていうのは何とも。


 しかし、来てしまったのならしょうがない。


 責任をもって、やっつけなければ。


 このままほかっておくと犠牲者がでてしまう。


 ゲーム内では、数人被害者が出た事があきらかになっていたから特に。


 おおがかりな駆除(排除じゃなくていいだろ)は自治組織に任せる形になるけど、できるだけ連中の規模とか人数とか、根城の位置を詳しく知っておきたいな。


 ここは、ハーフエルフであるミュクゼの出番だ。


 ハーフエルフは耳が良い。

 後、動物とも仲良しできる。


 彼の耳にはどういう風に聞こえているのは分からないが、ミュクゼは動物とお話できるらしいのだ。


 簡単なやりとりしかできないらしいけど、それでもすごい。


 メルヘンだなー。

 

 魔法とかない代わりに、他の種族がいるとこういう所でファンタジー感を味わうな。


 そういうわけでミュクゼは、自慢の耳と動物の協力を得て、アジトをつきとめていった。


 ふむふむ、大体九つあるのか。


 生徒会の部屋で、地図に書き込まれた丸を確認する。


 もちろん、見回りした他のメンバーもいるぞ。


 九か。


 九……。


 って、多すぎだろ!


 原作より二つおおいわ!


 そんな嫌な所で、違って来るなよ。


 一度撤退したから、今度は準備万端で来たとかそういう系?


 なんでマイナスにしてくるわけ。


 これ、普通の自治組織だけで大丈夫かな。


 なんて思ってたら。


「無理だろうな」とミュクゼに言われた。


 半端ねぇ。


「動物達から聞いた武器や備えの量が多すぎた」


 素人に言われるほどって、よっぽどやばいやつだろ。


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