第6話 お手伝い
というわけで、俺も手伝う事にした。
言い出しっぺが頼むだけ頼んで引っ込んでるわけにはいかないでしょ……という事でな。
いくら復讐を中断させるためといっても、俺がミュクゼを忙しくしちゃったのは事実だし。
でも、せっかくだから、一応ヒロインや他の攻略対象にも声をかけといた。
どうせ、あいつら病んでてもお人よしだから、放っておいても勝手に手伝うとは思うけど。
協力を要請するなら、早い方がいいだろうし。
人数も多い方が、楽になるだろうしな。
「やったー、とさか君とあそべる!」
いやフレオン、これ遊びじゃないから。
アウルあたりは真面目にヒロインと話をしている。
女性なのに、こんな事てつだっていいいのか、みたいな。
おっ、それはきっとポイント高いぞ。
もっと喋っとけ!
二人はそれからも、いろいろ世間話てきな事でもりあがったようだ。
青春だな。
そんなこんなを経て、付近をパトロール。
たまに道草している生徒を発見しては、さっさと自宅へ帰るようにうながしていく。
けれど遊び気分な奴がいるからな。
一名が、道の隅をふらふらしている。
何やってんだフレオンは。
しかし、彼は彼で頑張っていたらしい。
フレオンが何かを発見。
「ねー。これ、みて!」
「人がいた痕跡ですね」
アウルが表情を険しくする。
それは、焚火の後だった。
周囲に人の気配はないが。一応警戒。
神の教徒がちょっと前まで、ここにいたのかな。
うわー学校の周りに危険集団とか、嫌だわー。
こういうの見ちゃうと、より生々しく危険を感じるな。
もう連中はいないだろうけど、見回りはひきあげるか、という話になった。
学校に行ったん戻った後は、疲れた頃にヒロインが差し入れをくれた。
おにぎりだ。
親しみのない食べ物だけど、攻略対象達はみんなうまいうまい言いながら食ってた。
しかし、この辺り米文化ないのに、どこから調達したんだ?
と思っていたら、知り合い生徒からもらったらしい。
「マリンちゃん、この米大変だったんじゃないか?」
「いいえ、隣のクラスの子から、いただいたんです」
はるばる船を使って、東の大陸からとりよせた貴族がいるとかうんぬん。
その子、お金持ちなんだろうか。
なんだろうな。
飛行機も鉄道もないこの世界で、遠くからとりよせるのか、お金かかるし。
ひさびさのお米は美味しかった。
なつかしい気分だ。
ヒロインは、こんどふりかけを作ってみるっていってた。
ふりかけもこの世界に存在してるんだ。
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