俺Tueeeeeがしたい! ~貞操逆転の異世界に転生したので憧れの俺Tueeeeeをしようとしたら第一歩で拉致られました~
J
第1話 拉致されました
俺の名前はジュン…元日本人。
不幸にもある事故に巻き込まれ、地球とは全く異なる世界に転生…生まれ変わった。
まぁ、俺が前世の記憶を保持したまま転生した事に関してはまた今度、詳しく語るとして。
今の俺の状況について語らせて欲しい。
どうしてこうなっているのか。
俺自身理解出来ていないので、状況を整理したいんだ。
「追手はいる?」
「いません。スキルで確認しています」
「上手く囮に食いついたと思われます」
「そう。なら予定通り進むわよ」
俺は今、この女性騎士達に拉致され、地下下水道を歩いている。
…いやいや、本当になんで?
改めて状況を認識し直してもやっぱりわからん。
事の始まりはほんの数分前に遡る。
「…ジュン、やっぱり考え直さない?冒険者なんて危険よ」
「心配してくれてありがとう、院長先生。でも冒険者になるのは、俺の夢だから」
「…無理に出て行かなくても大丈夫なのよ?部屋に余裕はあるし、貴方が望むなら孤児院の職員になって働く事だって出来るのだし。それが嫌なら此処で暮らしながら安全な職に就いても構わないのよ?」
「駄目だよ、先生。十五歳になったら孤児院を出て働く決まりだろ?」
「じゃあ何処か部屋を借りて私と同棲…」
「それは意味が分からない」
今日は俺が十五歳になった日。
そして孤児院を出て冒険者になる日だ。
転生してから今日まで…様々な努力を行って来た。
それも全ては憧れの俺Tueeeeeをする為!
今日はその為の第一歩を踏み出す日だ。
「貴方が努力していたのは知っているわ。でも…」
「大丈夫。何も心配ないよ、先生」
今は孤児院の先生達と子供達に見送られながら、最後の説得をされている最中というわけだ。
先生達は俺が冒険者になるのがどうしても心配らしい。
それは俺が意図的に本当の力を隠して来たせいもあるけど、俺の見た目のせいでもある。
まだ十五歳の少年だし、俺の見た目は荒事に向いてなさそうだしね。
でも、俺が冒険者になるというのは昔から言ってたし俺の意思が堅い事は皆知っている。
もう止められないのは先生達もわかっている筈だ。
「それじゃ、行くね」
「…出来るだけ、顔を見せに来るのよ?」
「いつか迎えに来てね。先生、待ってる」
「ジュン姉ちゃん!御土産買って来てね!」
「あたし、甘いモノがいい!」
「うん。じゃあね」
さぁ…この孤児院の敷地を出た時から俺の…俺Tueeeee!の為の冒険が!……ん?
「何かしら?やけに騒がしいけれど…」
「この音は…馬車ですね。かなり急いでるみたい」
それも複数…三台が向かって来る。
アレは…何処の馬車だ?紋章が無いから何処かの貴族や騎士団の物では無さそう。
何処かの商会や行商人の物にしちゃ御者が怪しい感じ……ん!?
「って、な、何?!煙!?煙幕!?ふが!?」
「「「確保ー!!!」」」
猛スピードで走って来た馬車は俺の眼の前で急停止。
煙幕が放たれ、すぐさま馬車から降りて来た騎士達によって俺は拉致され、袋詰めにされてしまった。
「団長!目標を確保しました!」
「よし!下りるわよ!」
「「「了解!」」」
「グヘヘ…この中に美少年が…」
下りる?何処へ?
てか、俺をどうするつもりだ?
ちょっ、変なとこ触んな!アッー!!!
「ゴホッゴホッ…皆、大丈夫?」
「は、はい…あれ?ジュ、ジュンが…居ない?」
「お、お姉ちゃんが…誘拐されたー!!」
院長先生達の声は直ぐに聞こえなくなった。
視界も塞がれてるので何となくだけど…地下に降りてる?
てか、孤児院の敷地を出て一歩しか歩いてないのに拉致られたんですけど!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます