第Ⅱ章 第20話 ~大丈夫だッ……た、立たなければっ~
「生きていたか、ノイシュ」
不意に名を呼ばれて
「隊長……ご無事でしたか」
「あぁ」
そっけない返事だったが、その
「お前もだいぶやられた様だな。
「……すいません、お願いします」
「
マクミルが静かに歩を進め、こちらに背を見せながら
「うおおぉぉぁッ」
次の
「はあぁぁぁッ」
「イヤァォォァッ」
両者の気合いが重なり、振り出された互いの武具が
不意にノイシュは異なる方向から複数の喚声を聞き、とっさに顔を向けると別の敵戦士が
――く……ッ
ノイシュは心中でうめきながらも
敵戦士達がマクミルとの距離をあと五歩程にまで近接した時、ようやくマクミルも彼等の襲来に気づいた様だった。すかさず彼が身を
――隊長……ッ
ノイシュは背中が
「はああぁぁッ!」
ノイシュは
――どうかっ、間に合ってッ……
急ぎノイシュがマクミルへと
――マッ、マクミル……ッ
金属の裂かれる音とともに、大量の
不意にどどめを
「ガアァェぁッ、眼がっ、眼がぁぁあ……ッ」
「マクミルッ、しっかりっ」
ノイシュは急ぎ手負いの隊長へと駆け寄り、血で
「大丈夫だッ……た、立たなければっ」
マクミルは
――そっ、そんな……ッ
不意に視界が
不意に
――隊長は最後まで立とうとした、僕だって……っ
ノイシュは無理に感情を
――あれはっ、衝撃剣……ッ
ノイシュは急いで横へと
次の瞬間、敵戦士達がほぼ同時に剣を振り払った。
何とか振り切った事に気づいたノイシュは素早く身を起こして前方を見据えるが、眼前には
「ぐっ、うぅ……ッ」
「どうした、その程度か」
刀身ごしに敵兵の勝ち
「……貴様の名を、聞かせて
眼前の敵戦士が頬を吊り上げながら剣を構えた。
「俺は自分が殺す相手の名を、覚えるのが好きでね」
ノイシュは思わず胸に
「ノイシュ……ノイシュ・ルンハイトです。
「俺はサガムさ。貴様の死に神だッ」
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