第五章〈王太子の宮廷生活〉編

勝利王の書斎05「薄切りのパンを書く」

 第四章が終わり、第五章が始まる直前である。

 は、歴史小説の幕間にひらかれる。


 さっそくだが、今回のサブタイトルはこうだ。


 "En faire des tartines."


 フランス語の慣用句で、直訳すると「薄切りのパンを書く」

 意味は次の通りだ。


・中身の薄い話を長々と書くこと。

・役に立たないことを長ったらしい文章で説明すること。


 この小説の中身が、薄いか濃いか。自分ではよくわからない。

 だが、長ったらしいのは認めよう。古今東西、「年寄りの話は無駄に長い」と相場は決まっている。

 しかし、読者諸氏にうざがられて、読者離れを引き起こしては本末転倒だ。

 本編とそれほど関係ない「勝利王の書斎」ページは短く切り上げるように善処する。だらだらするより、さくさく食べたい……じゃなくて、さくさく書いていこう。


 腹心のひとり、正義公リッシュモン元帥は私について「なまけ者」と評価した。

 勝利王の本性は、だらだら怠けるの大好き王である。あいつは働きすぎ。夜はベッドに入って寝るべき。仮眠で済ませるな!

 リッシュモンは癇癪持ちで有名だが、おそらく睡眠不足のせいだろう。


 さて、時間が来たようだ。

 これより、第五章〈王太子の宮廷生活〉編を始める。

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