俺だけが使えるユニークスキル【ゲーム機能】が有能すぎる件〜《マップ》に《ガチャ》に《ログインボーナス》?!様々な機能を駆使して異世界最強へ〜

月夜美かぐや

第1話 ゴミスキル貰いました

 ゲームが大好きでたまらない俺は、夏休みに部屋に四六時中篭りとあるゲームのイベントにのめり込んでいた。それはもう朝なのか夜なのかさえ分からなくなるほどに……。そして気付いた時には真っ白な部屋の中。目の前に何故か見知らぬ女の子が立っていたのだ。


「あれ、イベントしてたんじゃ?」

「あのぉ……さすがに2週間も飲まず食わずで部屋に籠るから死んだんですよぉ。えっと……コトリユウ・アソートさん」


 俺、死んだのか。

 ……で、誰なんだ。この金髪のくるくる内巻きロールで巨乳のロリ美少女は?

 ってかコトリユウ・アソートって何だよ。


 少し考えたところで、俺の名前——小鳥遊たかなし 遊斗ゆうとを読み間違えて話していることに気が付く。


「いやいや、俺の名前めっちゃ間違ってるじゃん!」

「え?! あわわ、ごめんなさい。アソートさんじゃなくてアソトさんでしたか!」


 アソトでもねえ! 遊斗だ、ゆ・う・と!


 正してやろうと思ったがキラキラと眩しい笑顔を見せる少女の顔を見ると、反論する気にもなれなかった。


「こ、こほん。改めましてアソトさん、ようこそ黄泉送りの部屋へ。あなたには今からどちらかを選んでもらいます。このまま朽ち果てるか、剣と魔法とスキルのファンタジーな異世界で残りの人生をやり直すかです」


 ま・じ・か・よ☆

 この二択で朽ち果てるを選ぶやついなくね?

 絶対異世界転生選ぶよね?!

 だってさ、勇者になって魔王を倒したり、チート能力ガン積みで無双したり、貴族に生まれ変わって追放されるけど領地開拓したり、辺境の村で農作系スキル使ってのんびりスローライフしたり!

 ……まさに異世界最高じゃん!


「うわぁ、引くわぁ。アソトさん頭湧いてるんですか? あなたみたいな凡人にそんな大役任せる訳ないじゃないですか?」


 女神様ひどいっ! ガチでドン引きされたら凹むわ!

 しかも勝手に心の中覗き込むの、やめてもらっていいですか?!


 俺の反応を楽しむかのように女神様は微笑む。

 勇者になることも、チート能力も否定されてしまったということは、ただの凡人スタートになるのか。それだったとしても、こういう場面って好きなスキルもらえたりするじゃ?


「さすがはアソトさん。日本人の方は妙に異世界転生に慣れ親しんでる人が多いので、説明しなくても良くて楽チンですね。とりあえずにあなたの欲しいスキルをこの中から1だけ選んでください」


 女神様がそう話すと、目の前にはスキル選択一覧の画面が映し出される。

 えっとスキル名が【速読】に【早食い】……【ゴミ拾い】……数は1……10……いやいや、いくつあるのこれ?


「基本的なスキルのみになってるので、全部で23億個ほどありますね」


 はぁぁぁぁ?!

 ……んなもん全部見てられるかよぉぉぉぉぉぉ!

 凡人設定だし、スキルも基本的ならもはや何を選択しても同じだろう。


 そう考えた俺はこう答える。

「もうお任せで!」


「あはは。じゃあ誰も欲しがらなかった余り物のゴミスキル……じゃなかった。貴重なスキルを授けますね」


 今はっきりゴミスキルって言ったよね?

 もういいですよ、ゴミスキルで。


「やだなぁ、もぉ。アソトさんの聞き間違いですよ? えいっ!」


 そう話すと女神様は俺に向けて手をかざす。

 胸の辺りにほんのりと暖かさを感じた俺はみなぎるような力を……一切感じなかった。

 一体どんなゴミスキルをくれたんだ、この女神様は。


「フフフ。せっかくなので、ここで使い方を少しだけ教えておきましょうか。『メニュー画面』と叫んでみてください」


 定番の『ステータスオープン』じゃなく『メニュー画面』だと?


 頬を赤く染めながら恥ずかしさを我慢しつつ、俺はハッキリと口にする。


「メニュー画面!」


 脳内で鈍い電子音が鳴り響き、視界には何やら画面のようなものが表示された。



====================

【メニュー画面】


 ▶︎《ログインボーナス》

 ▷《マップ》

 ▷《ステータス》

 ▷《装備》

 ▷《アイテムBOX》

 ▷《魔法》

 ▷《ガチャ》

====================



 何か一覧出てきたんですけど?

 しかもこれってゲームでよく見かける画面じゃ?


「そうですよ。あなたに授けたのはスキル【ゲーム機能】です。手で触れても選択出来ますけど、脳内で思った通りに操作もできるので。一応アシスト機能も付けてあるので、転生後に試してみてくださいね。ではでは異世界ライフを楽しんでくださいね、バイバーイ!」



 女神様から貰った、余り物のゴミスキル【ゲーム機能】。

 平凡に過ごすはずの俺が、まさかこのスキルで成り上がっていくことになろうとは。

 この時はまだ、女神様ですら知らないのであった。




———————————————————————


【あとがき】


まず本作品を手に取っていただきまして、本当にありがとうございます。


拙文ではありますが、少しでも「面白そう!」「気になる!」と思っていただけると幸いです。


そして作品のフォロー等をいただけるとすごく嬉しいです!

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