第40話 子どものうた

 先日、車に乗っている時、ナビのテレビでNHKがついていて「みんなの歌」がはじまりました。懐かしいメロディーのその曲は「たのしいね」で、思わずチャチャチャって手拍手したくなりましたが、ハンドルを握っていたのでやめました。とっても今風のサウンドになっていました。


 そういえば子供の頃よく歌った歌で、何十年も歌っていないエモい歌があるのではないかと、記憶の掘り起こしをはじめたのですが……。


「おもちゃのチャチャチャ」「ドレミの歌」……意外となつかしくないですね。「手のひらを太陽に」は、やなせたかしさんが作詞されているから亡くなられた時よく耳にしました。


「クラリネットをこわしちゃった」……!


 ここで疑問。この曲の歌詞通りにドからシまで音が出なかったら、曲なんか吹けないじゃない! と、昔は思っていたけれど、ド♯とレ♯とファ♯とソ♯とラ♯が出るじゃないですか。だから、何か曲が吹けるはず。ピアノでいう黒鍵の部分で弾ける曲を探せばいいのです。


 もし、皆さんのお子さんのピアノやキーボードがお家にあるなら、デタラメでもいいので黒鍵だけを弾いてみてください。なんだか懐かしい、坂本龍一さんチックな曲に聞こえませんか?


 この5つの音はペンタトニックスケールという音階で、別名ヨナ抜き音階と言います。たった5つの音ですが、この音階で演奏できる曲ならクラリネットが壊れてても大丈夫。それで、調べてみたらこの音階の曲、結構ありました。


 ・赤とんぼ

 ・ゆりかごの歌

 ・うらしまたろう

 ・金太郎

 ・さっちゃん

 ・はとぽっぽ   

 ・ぞうさん

 ・まつぼっくり

 ・チューリップ  

 ・トンボのめがね 

 ・メダカの学校 

 ・かもめの水兵さん

 ・赤い鳥小鳥   

 ・お正月

 ・ほたるこい

 ・海

 ・春よこい


 昭和の音楽の教科書か! というラインナップです。


 その他、遊ぶ時歌った歌もありますよ。


 ・ももたろう

 ・茶摘み

 ・ゲンコツ山のたぬきさん


 ももたろさんを歌うと、なぜか相手の胸を人差し指でホッ。これらは手遊びの歌でした。


 ・あんたがたどこさ

 ・おしくらまんじゅう

 ・かごめかごめ

 ・はないちもんめ

 ・かくれんぼ

 ・棒が一本あったとさ


 こうして見ると、昭和の遊びはほぼペンタトニックスケールと言っても過言ではないかもしれません。


 そして、日が暮れてしまった帰り道、空を見上げて


 ♪一番星み〜つけた〜♪


 あと、テレビでよく耳にした曲もあります。


 ・北海盆唄(8時だヨ!全員集合のオープニングテーマ)

 ・いい湯だな(同じくエンディングテーマ)

 ・笑点のテーマ


 これらもペンタトニックスケールなんです。


 たくさんありますが、一部にしかすぎず、演歌「北酒場」など、他にも色々あります。馴染みのある曲ばかりです。もしかして、私たち昭和人間の血にはペンタトニックスケールが流れているのではないかしら?


 ということで、クラリネットが壊れちゃっても昭和の子どもがお世話になった曲をたくさん吹けるよ、というお話でした。



*


近況ノートに関連の画像をアップしています。よろしかったらご覧ください。


https://kakuyomu.jp/users/sumire_130/news/16817330651895994642










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